日本HPは、米国HPとNVIDIAが、AutodeskやFusion、Launch Forth、Technicolor、Unreal Engine、VIVEと共同で、VR(仮想現実)を通じた火星における人類100万人の暮らしの模擬体験を行う国際的なプロジェクト「HP Mars Home Planet(エイチピーマーズホームプラネット)」をスタートしたことを発表した。

同プロジェクトは、HPが新たに発表したVR戦略の一部であり、ブランド企業がイノベーションや顧客との関わり方を再創造できるよう考案され、当初はFusionとアメリカ航空宇宙局(NASA)によって開発されたVR体験「Mars 2030」を発展させたものだ。世界中のクリエイティブの専門家によるこの共創プロジェクトでは、建物、車、農場、衣服など、火星の気候や大気に適応しながら暮らしをどのように維持できるかを探るという。

今後、HPおよびパートナー企業は、エンジニア、設計者、デザイナー、アーティスト、学生と協力し、VRを通じて火星における人類の未来の想像、設計、体験を行っていく。

また、火星で家庭やコミュニティができる未来、2030年以降を見据えて、創造的な発想を持つ人々が参加し、火星に都市をつくる上での課題を解決してもらうことが目的だとし、最終的には、地球上の人々が火星での生活をVRで体験できるようになるということだ。

同プロジェクトは3部構成で1年間にわたり実施され、第1部の「Home Planet’s Mars Urbanization Challenge」では、参加者はまず特定の場所における移動手段やインフラの構想を中心に考える。NASAはマゥルス峡谷(ウェールズ語で「火星の渓谷」の意味)を火星の着陸候補地点に上げ、次の段階では3Dのモデリングとレンダリングによって、火星での生活をVRで体験できる予定だとしている。

また、プロジェクトの参加者は、Autodeskを使用して火星の建物、都市、車、インフラのあらゆるものを3Dモデルで制作し、Technicolorのクリエイティブとテクノロジーリーダーシップにより、クリエイターはUnreal Engineを使用して100万人規模の火星生活のVRシミュレーションを作成する。これらの環境は、NASAの調査に基づいたFusionの「Mars 2030」ゲームのMars Valley地帯に構築されるということだ。

なお、制作および管理は、デザイナー、エンジニア、ソルバーからなる製品開発コミュニティであるLaunch Forthが担当し、デザインや技術面で発生する大小さまざまな課題のソリューションを一丸となって開発して、参加者が力を合わせて共同で解決できるようにするという。

同プロジェクトへの参加については、「HP Mars Home Planet」のWebサイト(英語)を参照のこと。プログラムの第一部「Home Planet’s Mars Urbanization Challenge」への参加からスタートする。