キーボードはテンキーレスのアイソレーション(独立)タイプ。キーストロークはボディそのものが薄いこともあってやや浅めだが土台がしっかりしており、少し固めの打鍵感がなかなか打ちやすい。キー配列はWindowsの一般的な日本語配列だ。カーソルキーの[↑][↓]が通常の半分のサイズになっているが、ほかはほぼ全てのキーがフルサイズで搭載されている点が好ましい。

[1]キー左側の「半角/全角」キーとカーソルキーの上下だけが小さく、あとは標準サイズのキートップ

バックライト点灯状態(上)と、点灯していない状態(下)。バックライトの搭載で、暗所での作業時にもキー配列を確認しやすい。もちろんオン・オフは設定できる

ポインティングデバイスはマルチタッチに対応したトラックパッドを採用。13インチとしては大きめに作られており、Windows 10のジェスチャ操作にも対応している。カーソルの反応精度、追随性の良さは高レベル。試用期間は1週間ほどだったが、タッチパッド操作でもたついたりカクついたりすることはなく、滑らかな動きが印象的だった。

キーピッチは実測1.9mmとこちらも一般的

トラックパッドはマルチタッチに対応。13インチとしてはかなり大き目サイズだ

ドルビーアトモスの「圧」がすごい

MateBook Xは、ファーウェイによれば「世界初」のドルビーアトモスサウンドシステム搭載ノートPCとなる。キーボードの上にスピーカーが搭載されているのだが、デフォルトで音量が高めに設定されているせいか、セットアップ中に鳴るビープ音の「圧」がすでにすごい。

ドルビーアトモスの設定アプリでは用途に合わせて設定を切り替えられる。映画などを視聴する際に便利そうだ

スピーカーの位置的な問題もあってか、あまり左右チャネルの分離感はないのだが、それでもしっかり音源の位置がわかる。映画などを流しても、大画面と相まってかなりの迫力だ。筆者はちょうど家族旅行の際に、USBメモリにビデオファイルをいくつか入れて持って行き、MateBook Xで再生して子供達に見せたのだが、いつものタブレットより画面も広く音も迫力があると好評だった。

パフォーマンスは"ぼちぼち" - WinSATとFFベンチを試す

スリムノートPCはあまり性能を重視するタイプの製品ではないが、全体的な性能を見るためにベンチマークテストも行った。テスト機の仕様を改めておさらいすると、CPUがCore i5-7200U(2コア/4スレッド・2.5GHz)、メモリが8GB、ストレージが256GB PCIe SSD、グラフィックはIntel HD Graphics 620、ディスプレイは2K(2,160×1,440ドット)、OSがWindows 10 Home 64bitだ。

WIndows評価ツール(WinSAT)の結果は、プロセッサが「7.5」、メモリが「7.7」、グラフィックスが「5.8」、ストレージが「8.8」。2コア/4スレッドということもあってプロセッサはもう一息という感じだが、特に処理速度が遅くて困るということは、よほど重いアプリを使わなければ大丈夫だろう。グラフィックの項目はゲーム用のパフォーマンスとは直接関係ないのだが、とはいえゲーム向きとは言い難いのも事実。普通に使っていて遅さを感じるほどではない。

■Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)の結果
プロセッサ 7.5
メモリ 7.7
グラフィックス 5.8
ストレージ 8.8

試用機はSSDを搭載しているが、CrystalDiskMarkによる計測だと、シーケンシャルアクセス速度はリードが1,277MB/s、ライトが639.7MB/s。リード速度がもう一声欲しいところだが、ハードディスクと比べれば比べ物にならないレベルで高速なので、さほど気にしなくてもいいだろう。

CrystalDiskMarkによる計測結果

最後にゲーム系ベンチマークテストとして、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」を試した。解像度は1,280×720ドットで、フルスクリーンモード、プリセットは高品質(ノートPC)でテストを行った。

結果としては、数値は1279(設定変更が必要)と、デフォルトの設定ではゲームをするのが難しいレベルだった。筆者のミスでフレームレートを記録し損ねてしまったのだが、デモ中はかなりカクカクしていたので、30fpsにも遠く及ばないレベルだろう。おそらく標準設定はおろか、かなり落とした設定でも、FFXIVはゲームにならないと思われる。筆者の体感だが、もっと軽い3Dのゲームであれば、なんとか遊べるかな、という感覚だ。

■ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク
高品質(ノートPC) 1,280×720ドット 1279

なお本機はファンレス機だが、FFXIVベンチが終わった後、底面の熱がかなり高めになっていた。もしゲームを遊びたいというのであれば、ファン付きの放熱台を用意するなどしたほうがいいかもしれない。