Adobe Flashは、一世を風靡したウェブのインタラクティブコンテンツのための制作ツールであり、Flashプレイヤーはその再生プラグインとして一般的な存在となっていた。Flashプレイヤーを導入したウェブブラウザでは、マウスの動きに反応してメニューが動くインタラクティブなウェブサイトを制作でき、ウェブビデオの再生環境を現在でも担ってきた。

そんなFlashについてAdobeは、2020年までにプラグインの配布とサポートを終了する、というリリースを流した。この件は、HTML 5やWebGL、WebAssemblyといった新しいオープンスタンダード技術が発達しており、Flashの役割が終わったと解釈できる。

Flashプレイヤープラグインの配布とサポートを終了を告げるAdobeのウェブサイト

Flashへの風当たりは強かった。Adobeがコントロールするプラットホームである点、セキュリティへの懸念、バッテリー消費量が増える問題やパフォーマンスを阻害するといったことが指摘され、ウェブブラウザを開発する各社とっては、Flashの自動再生をオプションにするなど、対策措置が必要な存在であった。

Flash終焉に際し、ウェブ系企業各社との協力体制を築いていくことも、併せて発表された。

AppleのウェブブラウザSafariのエンジンとなっているWebKitのブログでは、Flashがなくなる世界に向けてのコメントを提出している。その中で、ウェブビデオの対応フォーマットの拡大、WebGLによるダイナミックなコンテンツの実現、CSSトランジションとアニメーションによる洗練されたウェブインターフェイスの実現、WebRTCのサポートによるピア・トゥー・ピアのビデオ実現、WebAssemblyによるゲームや処理能力を必要とするコンテンツの実現をうたっている。

また、AppleはWWDC 2017で発表したMac向け新OS「macOS High Sierra」に実装されるSafariの高速性をアピールしており、ブラウザとして、Flashの代替を、最も高速な環境下で実現することをアピールしている。

なお、Facebook、Google、Microsoft、Mozillaも、同様に、対策に関するコメントを各開発者ブログで発表している。