○○の役に立つ時計
ワークショップの後半で、いよいよ「○○の役に立つ時計」を考えていった。カシオ計算機の女性社員からサポートを受けつつ、ユニークな発想を膨らませていく発明家のタマゴたち。色鉛筆を使って仕上げると、全員の作品がホワイトボードに貼られた。
最後は、各グループの代表者がアイデアを発表。「お母さんの役に立つ時計」は、家族の様子を確認できるモニターが搭載された時計だ。「高齢者の役に立つ時計」には、小さい文字の読み上げ機能、つい忘れがちなスケジュールを知らせてくれる機能がついていた。
このほかにも、喉が渇くと水が出る「自分の役に立つ時計」、災害時に安全な避難場所が表示される「周りの人の役に立つ時計」、急がないと次の電車に乗り遅れるとき音声で知らせてくれる「働く大人の役に立つ時計」といった意欲作が続く。短い時間にも関わらず、どの子供のアイデアもよく考えられたもので、関係者も思わずうなっていた。
ちなみにこれらの作品はすべて額に入れられ、夏休みの期間中、樫尾俊雄発明記念館に飾られる予定。それにしても子供は大人の社会をよく見ている……そんな感想を抱いた。関係者の話によれば、昨年は「人とのコミュニケーションがうまくいく時計」などのアイデアも出ていたそう。人間関係で悩むのは、大人も子供も同じということだろう。
昨年、明正小学校からワークショップ実施の依頼を受けたとき、カシオ計算機では何をするべきか考えたという。そして、発明家・樫尾俊雄の信念に沿ったワークショップであるべきだという結論に行き着く。「カシオが次世代の子供たちに託せるのは、発明の素晴らしさを伝えること。そこで、大学で講演を行うことも多い伊部を迎えました」と関係者は話す。その伊部氏だが、この日のワークショップでは子供たちの作品を前に、笑顔が絶えなかった。発明家のタマゴたちから、新鮮な刺激を受けていたに違いない。
余談だが、樫尾俊雄発明記念館で開催される小学生向けの夏休み企画展示「デジタルってなに?」では、多彩な体験イベントも行われる。申し込みが多かったことから、以下の体験イベントで参加枠を拡大した。詳細は樫尾俊雄発明記念館のWebサイトを参照いただきたい。
- 8月1日(火)「発明家になろう 発明家になろう ~自分だけのG-SHOCKをつくってみよう~」
- 8月3日(木)「はなうた作曲教室」
- 8月9日(水)「高速撮影体験」