実際のところ、甘いのか甘くないのか

では、「ボーノ」(おいしい)の観点で新商品を見るとどうだろうか。

試飲した乃木坂46の3人からは、「おいしい、甘さがしっかりしているのにスッキリ」「おやつ感覚で飲める」「低糖質ということにこだわらず好きになれる」「ゴクゴク飲める」などの感想が聞かれた。おいしさ(=甘さ)がありつつ、後味がスッキリしていて量も多いため、夏場に合うことなどが強調されていることがわかる。

白石麻衣さんは、「おやつ感覚で飲むのもいいのでは」と感想を語った

実際にカフェラテを試飲してみると、スイーツのように甘いというよりは、どちらかというと甘さ控えめの印象を受けた。またカフェラテでは、後口に苦みが残ってしまう場合もあるが、同商品では後口がスッキリしている。430ml全ては飲みきれなかったが、乳飲料と言ってもサラッとしているので、暑い日などなら、いっぺんに飲めるかもしれない。

糖質を抑えながらもきちんと甘みを出せる理由は、原材料名を見るとわかる。「糖質オフ」を売りにするお菓子などと同様に、甘味料によって甘さを加えてあるためだ。もっとも、明治の商品で言うと「白のひととき珈琲」も、原材料名には砂糖が記載されておらず、炭水化物量(糖質量)は100mlあたり5.5gとなっている。

実はカフェラテの材料となる牛乳にも糖質が含まれている。牛乳の糖質も抑えなければならないため、甘くクリーミーな味を出すのは想像以上に難しいのかもしれない。

日本人は糖質をとりすぎている

日本人は炭水化物を「主食」とする食習慣のため、1日の糖質摂取量がもともと多い。例えば、ランチを「おにぎり2個、野菜ジュース」などで軽く済ませるということはよくあるだろう。しかしこれでも、1食で糖質100gを摂ってしまっている。このような状況もあり、日本人は一般的に、1日に300gの糖質を摂っていると言われている。

それに加えて、「食後に甘いものがなければ我慢できない」「疲れると甘いものを食べたくなる」などと、甘いものを欲する人も多い。たまにならいいが、習慣的に食べ続けると、明らかな糖質過多となってしまうのだ。こうした習慣を見直したい人は、糖質オフのスイーツなどを適宜利用するのもよいかもしれない。

明治では今回、飲料の他にも同じブランドでカスタードプリンを同時発売している。ロカボは「これからまだまだ伸びてくる分野」(守屋氏)と期待をかけており、今回の商品が売れれば、今後も展開を広げていくとしている。

いずれにせよ、低糖質ブームは外食を含め飲食業界全体に広がっている潮流だ。ロカボ競争は今後も過熱していくことが予想される。一方で消費者は、何しろ自分の健康に関係することであるから、ブームにただ流されるのではなく、「ロカボとは何か」という知識をしっかり持っておくことが重要だろう。