東京湾を一望、京急が仕掛ける都心から1時間のグランピング施設
鉄道会社の京浜急行電鉄と、キャンプ事業を手掛けるスノーピークは6月9日に、「snow peak glamping 京急観音崎」をオープンした。運営は、観音崎京急ホテルが担う。東京湾を一望できるロケーションで屋外宿泊体験が出来るほか、地元である三浦半島の食材を多く使った料理を、観音崎京急ホテルのシェフが提供する。値段は1泊1人あたり平日25,000円から、土曜・休前日は29,500円から。スノーピークは国内4カ所のキャンプフィールドを運営しているが、常設グランピング施設をオープンするのは初となる。
「グランピング」とは、「グラマラス」と「キャンピング」を掛け合わせた造語。大自然の中で高級ホテルのようなサービスが受けられる新たなキャンピングスタイルとしてヨーロッパで生まれ、近年日本でも人気が高まっている。場所は、神奈川県横須賀市、東京都心から1時間ほどの場所にある京浜急行「馬堀海岸駅」からバスで10分ほどの観音崎京急ホテルの前。宿泊するモバイルハウスは、オリンピック新国立競技場で知られる隈健吾氏がデザインを担当した。
「東京から1時間、こんなに素晴らしい自然にめぐまれた場所があるんだと皆さんに知ってもらいたい」。そう語ったのは、京浜急行電鉄の原田一之社長。「平日に泊まってもらってそのまま会社に行けば、平日の利用客も増えるかな」などと述べ、笑いを誘った。スノーピークの山井太社長は、「我々スノーピークのグランピング施設の第一号となります。これを機に、三浦半島のいろいろなところが注目されて、地方創生にもつながればいいなと思っています」と語った。
モバイルハウスは、ダブルベッドが1つの2人部屋。目の前には東京湾が広がり、ゆったりと自然を楽しむことが出来る。京急の広報担当者いわく、今回のターゲットは、20代、30代の若者だ。観音崎京急ホテルの利用客は40代、50代が中心で、もっと若い層に利用してもらいたいことから、今回のグランピング事業を始めることになったという。女性などに敬遠されがちだった不衛生な環境はなく、お風呂もホテルの温浴施設SPASSOが利用でき、露天風呂だけでなく、ヒーリングやボディケア、エステも楽しめる。もちろん、モバイルハウスも清潔感のあるつくりになっている。
夕食と朝食は、各モバイルハウスに設置してある屋外デッキにて海を眺めながら。夕食は地元の海の食材をふんだんに使ったバーベキュー形式で、準備・片づけはホテルスタッフが行うため、後片付けなどを気にせず食事を楽しめる。キャンプというと山のイメージが強いが、三浦半島の海の幸を多く使用した魚介類が食べられるのも魅力の一つ。オードブル、地元の食材を使ったフランス料理ブイヤベース、メインとして地元の海で獲れた魚介類や国産牛などが食べられる。
朝食は、パンや卵、チーズなどを提供する。ホットサンドメーカーの貸し出しを行うので、自分たちの好みで好きな具材を挟んで焼いて食べられる。
モバイルハウスの室内にはエアコンがついているため、台風などの場合を除き、通年で利用可能。雨の日は、食事だけ観音崎京急ホテルを利用することも出来る。ちなみに基本的に2人で泊まる仕様となるが、貸し出しの簡易ベッドを使用して3人で泊まると、少々狭いが1人当たり1000円割引になる。現時点で100件以上の予約があるが、平日はまだ余裕があるという。