ダッソー・システムズは6日、3Dプリンティングを必要とする顧客と製造能力を持つメーカーをつなぐマーケットプレイスを、2017年9月より140カ国で展開すると発表した。同日開催の年次イベント「3DEXPERIENCE FORUM Japan 2017」に合わせ行われた記者発表会にて明かされた。

同社が提供する設計、マーケティング、販売に関わるアプリケーションを包括した「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」に、新しくマーケットプレイスが追加される

このマーケットプレイスは、3Dプリンティング技術を保有する企業がデータと要件をアップロードし、製造を依頼したい企業は要求に近いデータを選択。材料、品質、納品日、コストなどの交渉を行い、合意が取れ次第契約するという流れで利用するもの。開発に必要な製造機能を持てないスタートアップ、中小企業などと、高度な製造機能を持つ企業をマッチングする狙いで開始されるサービスとなる。

ダッソー・システムズ 社長兼最高経営責任者(CEO)、取締役副会長 ベルナール・シャーレス(Bernard Charlès)氏

ダッソー・システムズ エグゼクティブ・バイス・プレジデント 最高戦略責任者 モニカ・メンギニ(Monica Menghini)氏

また、アップロードされるデータのイメージとして、エグゼクティブ・バイス・プレジデント 最高戦略責任者 モニカ・メンギニ氏は、飛行機の翼や自動車の部品など、同社が強みを持つ自動車・輸送セクターに関するものを挙げた。

同マーケットプレイスには、「CATIA」など同社の提供する3D CADアプリケーションで作られた3Dデータ以外であっても、「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」を介して掲載することが可能。発注可能な企業の選定、および依頼料の支払いの仲介など、取り引きの品質を同社が担保していく考えだ。

マーケットプレイスによるマッチングは3Dプリンティングだけで展開するのではなく、今後板金、コンポジットなどにも拡張していく展望という。既存のマーケットプレイスのようなデータ販売に広げるのではなく、実現したい要求を、それが可能な企業に依頼する図式での展開を想定している。

ダッソー・システムズ 2016年度業績

地域別業績

同社の業績は依然として自動車・輸送産業での利用が牽引しているとしながらも、昨今AIの活用などで注目を浴びるハイテク産業でもシェアを伸ばしていることを強調した