通常、ワインクーラーに採用しているペルチェ素子の冷却性能は6℃程度だというが、今回、アイスクリームの材料を凍らせることができる程度まで冷却性能を上げながらも、コストダウンを図った。これにより、アイスデリは、冷凍室で事前に冷やす必要がないうえに、価格は2万円弱と、事前冷却式に比べて手軽に利用でき、コンプレッサ式と比較すると手ごろなアイスクリームメーカーとなった。185mm×265mm×238mmの大きさで、重さ2.5kgとコンパクトなのも特徴だ。材料を入れれば、40~120分でアイスクリームが完成する。

材料を入れてボタンを押すだけで、冷却ポットが冷え、回転ブレードが材料を混ぜていく。写真は完成したアイスクリーム。連続して混ぜることで空気が取り込まれ、なめらかな食感となる

アイスクリームメーカーは売れるのか

とはいえ、白物家電と比べて嗜好性の強い家電であるアイスクリームメーカー。手間はかかるが安価な製品もあるなか、売れる見込みはあったのだろうか。

「アイスクリームの販売額は、10年間で約1.5倍に増加しています。また、約50%の人がアイスクリームを作ることに『経験・興味関心があり』と回答した調査結果もあります。当社で行ったアイスクリームメーカー所持者に対するアンケートでは、冷凍庫で冷やす手間や時間、スペースがないというデメリットが挙がった一方で、美味しく健康的なアイスが食べられるなど多くのメリットを感じられているお客様が多いことがわかりました。アイスクリームメーカーのデメリットを解消すれば、より多くの方に手作りアイスを楽しんでもらえると考えたのです」(森脇氏)

昨年、同社はテストマーケティングを実施し、3000台をカタログ通販、1000台をECサイトで販売。予想以上の反応が得られたという。アイスクリームメーカーを使用した経験のあるユーザーは、やはりダントツで早くアイスクリームが完成することに満足度を感じていたようだ。また従来品のアイスクリームメーカーで作ると硬い食感になってしまうが、アイスデリでは空気がほどよく入ることで、ふんわりした食感になるということも、高評価の理由のひとつとなった。