テストマーケティングでは、100%ジュースを入れてシャーベットにするなど、アイスクリームを作る以外の用途にニーズがあることもわかった。実際に、6段階の仕上がりが選べる高機能モデルの「IceDeli Plus(アイスデリ プラス)」であれば、アイスクリームだけでなく、冷製スープやジュレなどのメニューも作ることができる。

「IceDeli Plus(アイスデリ プラス)」では、「01:かため」から「06:冷スープ」までの6段階の仕上がり切り替えが可能。スタンダードタイプでは「かため」「やわらか」の2段階となっている

「アイスデリは生活を豊かにする趣味嗜好品の第1弾製品といえます。今後は、ここから発展させた製品を出していきたいですね。次は、アイスクリームメーカーではなく、まったく別の冷やす調理家電になっているかもしれません」と、森脇氏は今後の展望について語っている。

言われてみれば、炊飯器や電子レンジ、ホットプレートなど、温める調理器具はいろいろと思いつくが、冷やす調理器具はそれほど多くない。地球温暖化が懸念されるなか、今年の夏も猛暑となることが予想されている。今後、冷やす調理家電というジャンルが広がっていってもよさそうだ。

販売にあたっての課題は、プロモーションだろう。アイスデリの実物を見て、実際に使ってみると、いろいろな用途やメリットが想像できるが、店頭にただディスプレイされているだけでは冷やす調理家電に馴染みのない消費者にはそれが伝わりづらい。そこで同社としては初となる、アンバサダープログラムが実施される。インターネット上で手作りアイスを楽しむコミュニティ形成を促進し、レシピや使用方法などの情報交換を活性化させていくことで、販売につなげていきたい考えだ。

今後、アイスデリシリーズ全体で5万台の販売を目指していくというハイアールジャパンセールス。白物家電以外の分野でも存在感を示すことができるだろうか。同社の新たな挑戦に期待したい。