説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iCloudメールとGmail、どちらがお勧め?』という質問に答えます。

***

どのメールサービスを利用しているかiPhoneユーザに話を聞くと、いわゆるキャリアメール(ex. XXX@dcomo.ne.jp、XXX@ezweb.ne.jpなど)を除けば、Apple IDを持つすべてのユーザが利用できる「iCloudメール」と、Googleの提供する「Gmail」が両横綱的存在です。どちらがお勧めかは断言できかねますが、特徴を比較することで自分に向いているかどうかわかるかもしれません。

メールアドレスの形式は、iCloudメールが「〇〇@icloud.com」、Gmailが「〇〇@gmail.com」となります。「○○」の部分は早い者勝ちのため、名前など固有名詞だけで成立するもの、短いものは希望どおりに取得できる可能性はわずかです。この点では、両者は引き分けといえそうです。

どちらも「IMAP」というサーバ側にメールを保存するしくみを利用しているため、複数端末での利用に適していますが、iOSに標準装備のメールアプリではiCloudメールがリアルタイムに受信可能な「プッシュ受信」対応であることに対し、Gmailは指定した間隔で受信または手動受信を行う「フェッチ受信」になるという違いがあります。ただし、GmailもGoogle純正のアプリを使えばプッシュ受信できますから、iOSに標準装備のメールアプリにこだわらなければ機能的には同等といえるでしょう。

メールボックスの容量は、無償の範囲内という条件下ではGmailが断然有利です。iCloudメールのメールボックスはiCloudストレージ上に置かれるため、バックアップや他のアプリのストレージ消費を考えると、無償プランの5ギガバイトすべては利用できません。一方のGmailはメールボックス専用で15ギガバイトですから、かなり余裕があります。

もっとも、メールアプリには複数のメールサービスを登録して併用できるので、iCloudメールを親しい友人用に、Gmailをメールマガジンや通販用に、という使い方もアリでしょう。どちらか一方を選ぶことより、どのように組み合わせて使うかを考えるべきなのかもしれません。

iCloudメールとGmailはそれぞれにメリットがあるため、うまく併用することをお勧めします