モトローラのスマートフォン「Moto Z Play」は、Motoシリーズのハイエンド端末である「Moto Z」よりも低価格なミドルレンジのモデルで、Moto Zと同様に「Moto Mods」に対応し、拡張性の高さがポイントの製品だ。ハイエンド端末のMoto Zにない魅力も備えたMoto Z Playを試用してみた。

Moto Z Play

Moto Zは、厚さ5.19mmという超薄型のボディにQualcomm Snapdragon 820と4GBメモリ、64GBストレージ、5.5インチスーパーAMOLEDディスプレイ(2560×1440)を搭載したハイエンドのAndroidスマートフォン。それに対するMoto Z Playは、本体の厚みが6.99mmとなり、チップセットもSnapdragon 625に変更されており、メモリ3GB、ストレージ32GB、ディスプレイが5.5インチSuperAMOLED(1080×1920)といったスペックとなっている。

5.5インチのSuperAMOLEDを搭載

背面。カメラの出っ張りが目立つ。下部にあるのは後述するMoto Mods用の独自端子

Moto Zに比べればスペックが落ちるとは言え、8万円を超えるMoto Zに対して、45,000円程度と安く、購入しやすい。スペック的にも、一般的な低価格スマートフォンに比べればハイスペックといってもよく、十分満足できるレベルだろう。Snapdragon 625は、市場のSIMフリースマートフォンではミドルクラスの製品に多く採用されており、困ることはまずない。メモリも3GBで大きなアプリの利用でも問題は起きにくいだろう。

主なハードウェアスペック

Moto Zと同様にMoto Modsにも対応する。Moto Modsは、背面に用意された専用端子とマグネットを活用してアクセサリを接続し、機能を拡張するための仕組みだ。強力なマグネットなので近づけるだけでピタッとはまってズレたり落ちたりすることもない。ケーブルとは違って抜き差しの手間もなく、また無線と比較すると安定して確実に接続できるのがメリットだ。

底部のMoto Mods端子は、データや電力など、さまざまなデータの転送が可能

Mods側にも同じ端子

Moto Mods自体は現在、プロジェクター機能を備えた「Moto Insta-Share Projector」やスピーカー「JBL SoundBoost Speaker」、外部バッテリの「Incipio offGRID Power Pack」、そしてカメラメーカーのハッセルブラッドのブランドを冠したカメラ「Hasselblad True Zoom」といったオプションが用意されている。これらとは別に、コンテストなども実施しており、今後の拡大を図っているようだ。

HasselbladのTrue Zoomを装着したところ

True Zoomの作例。光学10倍ズームでここまで寄れるというのが便利

個人的には、バッテリ駆動時間を拡張するPower PackとカメラのTrue Zoomが便利そうだと感じた。True Zoomに関してはテストしたが、スマートフォンカメラではありえない光学10倍ズームレンズを搭載し、デジタルカメラっぽく利用できる。デジタルカメラを持ち歩くよりは簡単だし、撮影データはスマートフォンに記録され、そのままSNSなどに投稿できる点も便利だ。

薄型のMoto Zの方が、Moto Modsを装着した際の収まりはいいが、カメラのTrue Zoomは適度な厚みになって、むしろ持ちやすさが向上するというメリットもある。

こうした独自の拡張機能は、利用者の拡大とラインナップの拡充が肝となるため、ハイエンドのMoto Zだけでなく、比較的低価格のMoto Z PlayでもMoto Modsに対応したのはうまい戦略だ。スマートフォンを買い換えても、Moto Modsを継続して使えるというメリットもあるはずで、今後のモトローラの展開に期待したいところだ。