Appleは、同社が提供する音楽制作ソフト「Logic Pro X」の最新版となるバージョン10.3の提供を開始した。本バージョンでは昨年発売された新型MacBook ProのTouch Barに対応したほか、オーディオ制作のための新機能が多数搭載されている。新規購入の場合、価格は23,800円。Mac App Storeでの販売となる。

Logic Pro X 10.3

最新バージョンでは、Macが目の前にない時でも、iPhoneやiPadを使ってLogicのセッションに新規トラックを追加できるようになった。新しい共有オプションを利用して、LogicのプロジェクトをGarageBandと互換性のある特殊なバージョンとしてiCloudにアップロードしておけば、これをiOSデバイスで開いて作業できる。良いアイディアがひらめいた時にいつでも、新たなトラックを追加できるというわけだ。このプロジェクトは、iCloudに保存し直しておくことで、次回Macで元のLogicのプロジェクトを開いた際、iOSデバイスで加えた変更が自動的に反映される。

リージョン編集では、トリミング中のオーディオファイル全体に波形を表示できるように

ユーザーインターフェースも改良され、新たに24色が追加されたカラーパレットで、リージョンやトラック、ノートにラベル付けできる。また、新しいリージョン編集では、トリミング中のオーディオファイル全体に波形を表示可能となった。

Touch Barから各種コントロールが可能に

Touch Barから各種鍵盤楽器の演奏が可能

ドラムパッドをタップしてビートを構築することも

新型MacBook ProのTouch Barに対応したことで、映像編集ソフト「Final Cut Pro X」同様、プロジェクト全体を一目で確認でき、タイムライン上の任意の位置に一瞬で移動したり、選択中のトラックの音量やSmart Controlの操作が行える。新しい演奏コントロール機能では、Touch Barを活用したソフトウェア音源の再生と録音ができるようになった。様々なスケールにカスタマイズすることも可能な各種鍵盤楽器を演奏したり、ドラムパッドをタップしてビートを構築することができる。キーコマンドボタンからは、Touch Bar上のコントロール項目をカスタマイズし、よく使うキーボードショートカットを必要な時に利用できるように設定しておける。

代替トラック機能では、任意のトラックにあるリージョンや編集部分を組み合わせて複数のプレイリストを作成し、それらを切り換えることができるようになった。これにより、浮かんだいろいろなアイディアを試したり、トラックを発展させながら、古いバージョンと新しいバージョンを比較するといったことが簡単に行える。選択ベース処理を使えば、Logic内蔵またはサードパーティ製プラグインエフェクトを自由に組み合わせて、これを選択した単一または複数のオーディオリージョンに適用できるようになる。

旧バージョンのユーザーは無料でアップデートが可能。対応OSは、OS X 10.11以降。