Amazon.co.jpは1月18日、スタートアップ特化型の「Amazon Launchpad」を開始した。スタートアップによるハードウェアを販売するAmazon内の専用ページで、同時にスタートアップの支援プログラムのことを指す。
販売経路の確保でより素早い販売が可能に
ここ数年、数多くのスタートアップが新しいアイデアをもとに製品を開発・販売している。とはいえ、ビジネスに参入したばかりのスタートアップにとって問題となるのが、販売チャンネルの確保や在庫管理、発送といった作業だ。いくら素晴らしい製品を開発しても、売る方法がなければ販売はできない。しかも、これらの作業は大きなコストや人員が必要で、小さなスタートアップにとっては重い負担となる。
この問題を解決するのが、日本ベンチャーキャピタル協会のほか、クラウドファンディングサイトのMakuake、起業家の支援を行うABBALabなどと協力してローンチしたAmazon Launchpadだ。スタートアップはAmazon Launchpad ストアに自社製品を掲載して販売チャンネルを確保できるほか、Amazonのシステムを利用して決済などの作業を効率的に行える。さらに、Amazonに製品を委託し、製品の管理や発送といった作業を任せることも可能だ。しかも、製品を委託すると「Amazonプライム」対象製品として登録され、Amazonプライム会員なら「お急ぎ便」などの便利な配達機能を利用できるようになる。
配送や決済以外にも、スタートアップに対する販売支援は充実している。たとえば、売り上げを伸ばすためのポイントを無料オンライン講座で学べる「Amazon出品大学」のほか、海外での販売支援「Amazon Global Selling」、スタートアップ運転資金の融資を行う「Amazon Lending」、さらにはAmazonのサイト外にある自社販売サイトでもAmazonの決済システムが使用できるようになる「Amazon Payments」といったサポートが提供される。
企業だけでなく、ユーザーにも大きなメリット
Amazonのユーザー側にもメリットはある。最大の良さは、魅力的な製品と出会える機会が増えることだ。従来、スタートアップは販路の確保が難しいという理由で、自社サイトでひっそりと製品を販売することも多かった。しかしAmazon Launchpad ストアなら、250を超えるウェアラブルデバイスやIoT製品、知育・学習玩具などをはじめとするスタートアップの製品が集められている。「新しいもの好き」には魅力的なページだ。また、Amazonのシステムを利用することで、ユーザー側が安心して決済できるというのも大きなメリットといえる。
もうひとつが面白いのが、Amazon Launchpad ストアに掲載されている「スタートアップについて」というコンテンツ。ここでは開発者の写真のほか、開発のきっかけや製品のポイントなど、ブランドストーリーを読むことができる。
失くし物防止タグや耳が痛くならないヘッドホンなど
発表会では、Amazon Launchpadに登録したスタートアップ3社も登壇し、製品の魅力について語った。登壇したのは、スマートフォンと連動する世界最小の「落とし物タグ」を開発したMAMORIOの増木大己氏、独自エアーフレーム構造を採用することで「耳が痛くならないヘッドホン」を実現したVIE STYLEの今村泰彦氏、スタイリッシュな「IoT家具」を生み出したKAMARQの和田ナオキ氏だ。いずれも近未来的なワクワクが詰まった製品で、もちろんAmazon Launchpadで購入できる。