タブスタックという新しい使い方

エクステンションの次に紹介したいのが、「タブスタック」だ。タブスタックは複数のタブをひとつのタブにまとめておく機能である。Vivaldiはこの「タブスタック」がほかの主要Webブラウザと比べて新しく、この使い方を知ると、Vivaldiの利便性をより理解してもらえると思う。

Webサーフィンの目的の1つに特定の情報に関する検索がある。大抵は何らかの目的があって検索を行うものであり、そこには文脈がある。つまり、ブラウザには関連性のあるタブがいくつも開かれることになる。

現実であれば、調べたデータを同じ書類棚に入れておくとか、同じファイラに入れておくといったことをすると思うが、Webブラウザで同じことをするのが「タブスタック」だ。

タブスタックを使うと、UI/UXとしては単一のタブに複数のタブが合流したようになる。あるタブの上に、さらに小さいタブが並ぶようなイメージだ。タブスタックはタブを重ね合わせるようにタブをドラッグ&ドロップすることでも作成できるし、複数のタブを選択したあとでメニューから操作して作成することもできる。必要な書類をまとめるというイメージを持っておくとよいと思う。

タブスタックを使って検索の文脈毎にタブをまとめた場合

タブの上をよく見ると、さらに小さいタブが展開していることがわかる

複数の資料を平行して読む場合も使える

タブスタックは別の目的でも利用できる。資料を読む場合、その資料に関連したほかの資料を表示させておいたり、マニュアルを開いておいて同時に見ることが可能な状況にしておいたりすることがある。Vivaldiだとタブスタックを使ってこれを実現できる。

例えば、以下のスクリーンショットは英語のドキュメント、その日本語訳、オンラインマニュアルの3つのドキュメントをタイル状に表示させたものだ。タブスタックに登録したドキュメントはこのようにタイル状に並べることができる。タイル状に表示させたいコンテンツをタブスタックに登録し、こんな感じで利用する。

タブスタックにまとめたページをタイル状に表示する機能

検索結果をタブスタックにまとめて、上記のようにタイル状に表示させて閲覧といった使い方だって当然できる。インチ数が大きな4Kや5Kのスクリーンを使っているなら、複数のページをタイル状に並べて比較しながら読むという使い方も便利だ(小さいスクリーンでこれをやっても、意味がないというか、すごく見にくい)。

Vivaldiの強みはこれがエクステンションではなくネイティブに実装されている点にある。Vivaldiのデフォルト機能として実装されているので軽快だし、リリースごとに動きがよくなっている。Webサイトを閲覧している時、開いているタブがかなりの数になるなら、Vivaldiのタブスタックは解決策になるかもしれない。

こだわりがうれしい

今のところ、Vivaldiはタブというインタフェースを新たなレベルに引き上げる取り組みを行っている。「タブと上部UIの色がタブごとに変わる」「ナイトモードになるとUIが暗めになる」「プログレスの表示が細かい」など、いろいろなこだわりを感じることができる。

こうした機能は話を聞いただけでは小手先の実装のように思えるが、使ってみるとなかなか心地よい。どんどん寡黙になっていく最近のWebブラウザのUI/UXと比べると、Vivaldiは細かくフィードバックがあって「使っている」「動いている」といった感じをちゃんと感じることができる。細かいことかもしれないが、毎日使う上ではこうした配慮が気持ちの良いインターネットの利用につながってくる。まだVivaldiを使ったことがないのであれば、ぜひ一度使ってみてほしい。