説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『Bluetoothの接続が安定しません!?』という質問に答えます。

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Bluetoothにはいくつかの規格がありますが、市販されている製品の多くは最大通信距離が半径10メートルの「Class 2」に対応しています。無線通信に使用される2.4GHz帯は比較的障害物に強いため、必ずしも見通しがいい場所でなくても利用できますが、屋内で半径4~5メートル程度の距離であれば、大半のBluetoothデバイスは安定して動作することでしょう。

以上の条件を満たすにもかかわらず接続が安定しない場合には、まず周囲のWi-Fi機器をチェックしてみましょう。BluetoothはWi-Fi(IEEE 802.11b/gなど)と同じ帯域を使用するうえ、一般的にWi-Fiのほうが送信出力で上回るため、ルータなどWi-Fi機器の近くに置かないほうが通信は安定します。ルータ/Wi-Fiアクセスポイントの設定を、IEEE 802.11acなど5GHz帯を使用するものに切り替えることも効果的です。

家電製品が近くにあるときも、影響を受けることがあります。たとえば、電子レンジは電磁波を照射することで食品を加熱しますが、その電磁波は2.4GHz帯のため、BluetoothやWi-Fi(2.4GHz)の通信に悪影響をもたらします。コードレス電話機などのワイヤレス通信を行う家電製品も原因になりうるため、iPhoneとの距離をあけるなどの工夫をしてみましょう。

距離と障害物にも注意しましょう。規格では通信距離が半径10メートル以内とされるBluetoothですが、実際の製品は機器により電波強度に多少の差がありますから、より近距離のほうが通信は安定します。障害物も存在しないほうが有利ですから、見通しのいい場所で利用しましょう。特にオーディオ機器の場合、それなりのデータ量を安定して通信できる状況が求められる、イヤホンの場合iPhoneをバックから取り出してみる、スピーカーをiPhoneのすぐ近くに置いてみるといったテストを行い、どの状況下であれば音が途切れないか確認してみることをお勧めします。

同じ2.4GHzの周波数帯を使用する電子機器の近くで使わないなど、Bluetooth機器にはいくつかの約束事があります