説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneを紛失したら「Apple Pay」はどうなるの?』という質問に答えます。

***

Apple Payで支払いする場合、事前に「Wallet」アプリへ電子マネー/クレジットカードを登録しておく必要があります。そのとき「エクスプレスカード」として登録しておけば、Touch IDによる指紋認証なしに、端末へiPhoneをかざすだけで支払いできます。

2017年1月現在、ここ日本でエクスプレスカードとして登録できるのはJR東日本が発行する「Suica」のみです。Touch IDによる認証手続きを省略することで不正利用のリスクは高まりますが、Suicaは交通機関の自動改札機をスムーズに通過できることが求められるため、一種の特別扱いがとられたのでしょう。

iPhoneを紛失しても、エクスプレスカード以外は支払時に指紋認証が必須なため、拾った人に使われてしまうことはありません。エクスプレスカードは指紋認証の必要がなく、iPhoneがスリープ/ロック状態でも支払いに使えるため、紛失時にはSuicaの残高の範囲内で不正利用される可能性があります。

iPhoneにエクスプレスカードの登録があるかどうかは外見から判断できませんが、自動改札機へかざすなどすれば残高を確認できます。Suicaに入金(チャージ)できる上限は2万円ですが、少なめにしたほうが紛失時のダメージは少なくなります。

なお、拾った人に使われてしまう前であれば、遠隔操作でApple Payの利用を停止することができます。パソコンのWEBブラウザで「iCloud.com」にアクセスし、紛失したiPhoneで利用しているApple IDでサインインしたあと「設定」→「マイデバイス」→Apple Payの登録があるiPhoneの順に画面を開き、Apple Pay欄の「すべてを削除」をクリックすれば登録したカードを削除できます。

Apple Payの登録があるiPhoneを紛失した場合は、パソコンのWEBブラウザで「iCloud.com」へアクセスし、Apple Payに登録したカードを削除しましょう