ベンチマークでパフォーマンスを検証
ここからは、ベンチマークテストで「TransBook Mini T102HA」の性能を確かめてみよう。試用機のスペックは、CPUがIntel Atom x5-Z8350(4コア/1.44GHz)、メモリがDDR3L-1600 4GB、ストレージが64GB eMMC、グラフィックスがIntel HD Graphics 400(CPU内蔵)だ。
Windowsのシステム評価ツール「WinSAT」のスコアは、スペックから考えると標準的。ブラウザのタブを多く開いたときや、サイズの大きなファイルを扱う際に少しもたつくが、基本的なWebブラウジングやドキュメントの作成などは問題なくこなせる。
WinSAT.exeの結果 | |
プロセッサ | 5.9 |
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メモリ | 5.9 |
グラフィックス | 4.1 |
ディスク | 6.8 |
ストレージの速度を「Crystal Disk Mark」で計測してみると、通常のSATA3 SSDには及ばないが、HDDよりは十分高速だ。前述の通り、サイズの大きなファイルを読み書きするときは少しもたつきやひっかかりを感じることがあったが、それ以外では気にならなかった。
続いて総合ベンチマークソフトPCの総合的なパフォーマンスを見る「PCMark 8」のHome accelerated 3.0における結果は以下の通り。スコアはそれほど高くないが、これは動画のエンコード(Video Chat v2 / Video Chat encoding v2)とゲーム性能(Casual Gaming)が影響しているものと考えられる。ただ、ストリーミングサービスで、30分~1時間程度のHD動画を見てもコマ落ちなどは発生しなかった。
続いては、3Dグラフィックス性能を測る「3DMark」。かつてのAtom搭載デバイスと比べると性能は向上しているが、各テストの結果はやはり低めで、ブラウザゲーム程度ならば話は別だが、3Dゲームのプレイは難しそうだ。
3DMarkの結果 | |
Ice Storm | 17395 |
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Ice Storm Extreme | 12672 |
Cloud Gate | 1518 |
Sky Diver | 899 |
最後に駆動時間だ。公称値はタブレット単体で約12.6時間、タブレット+キーボードの状態で約12.5時間だが、BBenchを利用して実測してみた。設定は、キーボードを装着し、無線LANオン、Bluetoothオン、液晶輝度50%、バッテリ節約機能オンで、10秒ごとにキー入力、1分ごとにWeb巡回を行う条件だ。
結果はバッテリの残5%の状態まで、8時間13分だった。公称値から開きがあるが、輝度の調整などでまだまだ駆動時間は伸ばせるだろう。
2in1の良さを手軽に体感
ASUS TransBook T102HAは、税込6万円からという価格ながら、カバー兼キーボードや、キックスタンドで自立する本体、ペン入力のサポートなど、ここのところの着脱式2in1デバイスに盛り込まれているエッセンスを体験できる。また、Windows HelloやWindows InkなどWindows 10ならではの利便性も享受できる。
性能面では上位クラスの製品におよばない部分はあるが、Webブラウジングや動画視聴、書類作成といった用途では、ストレスなく使うことが可能で、10.1型というサイズも含めてサブマシン的な使い方に適している。
まさに"はじめての2in1"にぴったりで、"イマドキの2in1"に触れてみたいという人にとっては検討に値するだろう。
詳細スペック | |
製品名 | ASUS TransBook T102HA(T102HA-8350G) |
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CPU | Intel Atom x5-Z8350 (1.44GHz) |
メモリ | DDR3L-1600 4GB |
ストレージ | 64GB eMMC |
グラフィックス | Intel HD Graphics 400(CPU内蔵) |
ディスプレイ | 10.1型(1,280×800ドット)、タッチ対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth v4.1 |
インタフェース | USB 3.0×1、microUSB×1、microHDMI×1、Webカメラ(192万画素)、microSD/SDHC/SDXCスロット、マイク/ヘッドホン・コンボ・ジャックなど |
OS | Windows 10 Home 64bit |
本体サイズ/重量 | W259mm×D170mm×H8.2mm/約540g(本体) W259mm×D170mm×H13.9mm/約790g(本体+キーボード) |