10月22日・23日、東京・中野サンプラザで秋のヘッドフォン祭 2016が開催。本稿では、6Fのゼンハイザーブースに出品されていた新「HD500」シリーズに注目してレポートしたい。
HD500シリーズは、ゼンハイザーを代表するヘッドホンシリーズのひとつで、今回6年ぶりにラインナップを一新。新たなHD500シリーズとして投入されたのは、「HD599」「HD579」「HD569」「HD559」の4機種だ。
HD569のみ密閉型を採用、ほか3機種は開放型となっている。詳細なスペックは、別記事の「ゼンハイザー、開放型ヘッドホン「HD599」など4機種 - シリーズ一新」を参照いただきたい。
以下、簡単なインプレッションをお届けする。
HD500シリーズの入門モデルと位置づけられている「HD559」だが、ベースやドラムのメリハリがきいて、演奏がパワフルに聴こえるのが特徴。パワフルながらも、押し付けがましさや暑苦しさはがなく、J-POPやロック以外もそつなく鳴らしてくれる。
「HD569」は、HD500シリーズ初の密閉型モデルとなる。音場の広さは、これまでのHD500シリーズを継承するが、一音一音の締まりの良さは、他の新モデルと一線を画している印象。今回の新モデルで唯一、通話マイク付きリモコンケーブルを同梱するので、屋外での使用も望めそうだ。
ミドルモデルにあたる「HD567」は、本体カラーにグレーを採り入れた。そのサウンドは、演奏がパワフルな「HD559」に対して、ボーカルを力強く仕上げてくれる、という印象。演奏はわりとフラットに感じたが、ボーカルは熱を持っていたので、力を込めて歌い上げるような曲に合うかもしれない。
シリーズ最上位となる「HD599」は、"プリン"という通称で親しまれた前モデル「HD598」を思わせるカラーリングを採用。その音はシリーズ最上位モデルにふさわしく、ボーカルは繊細に、演奏は各パートの輪郭をはっきりと、定位感よく伝えてくれる。情報量は多いが、落ち着きのある音を出すので、疲れて帰宅した夜に使っても、脳に心地よく音楽を届けてくれそう。
同じ500シリーズに属しながらも、デザイン・サウンドともに「みんなちがって、みんないい」を地でいく4機種。発売が待たれる。