米ON Semiconductor(ON Semi)の日本法人であるオン・セミコンダクターは10月19日、パワーバンク(モバイルバッテリーのこと)向けインテリジェント充電コントローラ「LC709501F」を発表した。

スマートフォンをはじめとするモバイルデバイスでは、液晶画面の大型化、通信アクセサリ機器の多様化などにより消費電力が増加している。さらに、バックグラウンド通信を行うゲームやメッセージアプリの利用も、バッテリーの持続時間を短くする一因となっており、外出先でモバイルデバイスを充電できるモバイルバッテリーの需要が拡大している。

モバイルバッテリー市場は年平均17.5%で成長

一般的なモバイルバッテリーには、マイコン、電圧変換、USB検出、電源を担う4つのICが搭載されているが、今回発表したLC709501Fではこれらを1チップに統合。これにより、専有面積を20%削減したほか、FETを選択可能とすることで設計の柔軟性を向上させている。5V、9V、12Vという電圧および複数の電流の出力範囲に対応し、最大30Wの充電が可能。6×6mmのQFC-52パッケージで提供され、単価は1万個単位の注文で2.80ドルとなっている。

一般的なパワーバンクに比べシンプルなシステム構成が可能に

左がデモ用のシステムで、右がLC709501Fを拡大した写真

さまざまな規格と方式が存在する急速充電に関しては、デバイス側のバッテリーが対応している規格を自動検出し、最適な充電方式を選択する機能を搭載。規格がアップデートされた場合は、LC709501Fのファームウェアを更新することで最新の充電方式に対応する。

代表的な急速充電規格に対応

また、モバイルバッテリーの電池残量、電池の周辺温度、健康状態などをモバイルアプリで表示することも可能。モバイルバッテリーメーカーに向けてリファレンスとなるアプリを供給し、アプリ画面のロゴを変えるなどカスタムできるようにする。アプリはiOS、Androidに対応する予定。

スマホ連携のデモンストレーション