買収後のFacebook中での位置づけとは

2016年4月に行われたフェイスブックの開発者向け会議F8では、ボットの利用なども可能なFacebook Messengerのプラットホーム化について、その説明に多くの時間を割いてきた。

Facebook Messengerも、個人間、そしてグループでのメッセージのやりとりが可能なアプリであり、WhatsAppとその役割が重複する。ただし、WhatsAppの方がその月間ユーザー規模が大きかったことから、フェイスブックによる買収については、特に疑問を挟む必要はないだろう。

ちなみに、フェイスブックは、ユーザーの平均年齢が圧倒的に低いSnapchatアプリについても、およそ3000億ドルで買収提案を行っていたことから、メッセージングプラットホームを全方位で押さえようとしていたことが分かる。現在、Snapchatの月間ユーザー数は既にTwitterより大きい、1億5000万人を超え、企業向けアカウントによる独自の収益化にも着手している。

F8 2016では、WhatsAppとFacebook Messengerが1つのスライドで紹介される場面があった。プレゼンテーションに立ったフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、WhatsAppについては「One-to-One」(1対1)、Messengerを「Small Group」(小グループ)とし、その位置づけの違いを強調した。

WhatsAppについては「One-to-One」(1対1)、Messengerを「Small Group」(小グループ)とし、その位置づけの違いを強調

WhatsAppとFacebook Messengerの送信メッセージ数の違いなどを説明するも機能面ではあまり違いはない

ただし、WhatsAppもグループメッセージが可能だし、Messengerでも1対1のメッセージが主流であり、機能面の差はなくなりつつある。Messengerだけで企業とのコミュニケーションを取ることも可能になった。

WhatsAppがMessengerのように、企業向けにアカウントを解放する際、どのように差別化するのか注目すべきだ。あるいは、複数のチャネルを生かしながら、双方でサービスが提供できるようにするだけかもしれない。