さて、肝心の画質については、実際に使い倒した(今もバリバリ使っていますが)下記の画像&動画をご覧ください。

基本的には素直な発色なのですが、白飛びがかなり目立ちます。明るい光源が近くにある際には注意が必要ですね。ただし、個人的には全天球写真・動画では、白飛びも臨場感のひとつと捉えてもいいんじゃないかと考えています。明暗差が大きい被写体は、iPhoneに搭載されているカメラで撮影すればよいでしょう。

解像感についてはスマホなどで見るには十分ですが、PCの画面ではどうしても荒さが目立ちます。静止画の解像感を重視するのであれば、7,200×3,600ドットで撮影可能なGear 360を選んだほうがよいかもしれません。

なお、ふたつのカメラの画像を合成する「スティッチ」の精度については、THETA Sが最も優れているというのが率直な印象です。Insta360 NanoとGear VRは画像をつなぎ合わせた部分が色や明るさの違いではっきり判別できますが、THETA Sではほとんど目立たないレベルで馴染んでいます。スペックには表れない画質を最重要視するのならTHETA Sを選ぶべきです。

これはInsta360 Nanoで撮影した画像。画面中央にふたつの画像をスティッチングした跡がはっきりと表れています

解像感とスティッチの精度に多少難はあるものの、Lightning端子に直結するInsta360 Nanoはもっともスムーズに撮影、プレビュー、共有できる全天球カメラであることは間違いありません。

しかも、あくまでもオマケではありますが、パッケージをVRヘッドマウントディスプレイとして使える点は非常に心憎い演出です。実売価格39,000円前後のTHETA S、実売価格45,000円前後のGear 360よりも安価なInsta360 Nano(実売25,000円前後)は、iPhone 6s / 6s Plus / 6 / 6 Plusユーザーなら真っ先に購入を検討するべき全天球カメラと言えます。今後、iPhone 7 / 7 Plusに対応してくれることも期待しつつ!

パッケージには本体、microUSBケーブル、キャリングケース、マニュアルなどが同梱されています

パッケージの内箱はVRヘッドマウントディスプレーとして利用できます。少したわみますがiPhone 6s Plusがぴったり入るサイズです