iPhoneにとうとうFeliCaが搭載

続いてiPhoneの近況報告へ。これまでに10億台以上を販売してきたことを紹介し、9月13日にリリースされるiOS 10の機能を軽くおさらいしたところで、おなじみジョナサン・アイヴCDO(チーフデザインオフィサー)によるビデオが流れ、iPhone 7が発表された。こちらもおなじみ、フィル・シラー副社長により、10個の特徴が紹介される。

  • デザイン: 光沢仕上げの「ジェットブラック」とマット仕上げの「ブラック」、ゴールド、シルバー、ローズピンクの5色を用意
  • ホームボタン: MacのForce Touchトラックパッドのように感圧式のホームボタンに変更。これで手垢で押しにくくなったということは少なくなりそう
  • 防塵・防水: IP67等級で、ちょっとした水没や、軽い水洗いをしても平気に
  • カメラ: iPhone 7シリーズは、ほぼiPhone 6s Plusと同等の光学式手ぶれ補正、明るいF1.8レンズと新センサーの採用、イメージプロセッサの一新でさらにきれいな写真に。iPhone 7 Plusでは、さらに広角と望遠のデュアルレンズ仕様で、デジタルズームは最大10倍まで。また被写界深度をシミュレートして背景のボケを再現するポートレートモードも搭載(ソフトウェアアップデートで反映)
  • ディスプレイ: 25%明るくなったRetina HDディスプレイを搭載。もちろん3D Touch対応
  • オーディオ: 横向きにしたときに効果のでるステレオスピーカーを搭載
  • イヤホン(EarPods): イヤホンジャックを廃止してLightning接続のイヤホンへ。Lightning-イヤホンプラグ変換アダプターも同梱
  • ワイヤレス: ワイヤレスオーディオにチャレンジし、ワイヤレスイヤホン「Apple AirPods」を発表
  • モバイル決済: 日本向けApple PayでFeliCa対応に。10月後半からスタート
  • フォーマンス: 新チップ「A10 Fusion」を搭載。4コアでA9比40%高速化。GPUもA9比で50%高速化。

ストレージのモデル構成は、32GB / 128GB / 256GBの3ラインに。既存モデルの6s / 6s Plusも同様に容量がアップする。予約開始は9月9日からで、発売は9月16日。価格は72,800円からとなる

発表会場では、あまり盛り上がっていなかったようだが、やはりFeliCa対応は日本のユーザーにとって非常に大きな話題だ。既報の通りSuicaおよびiD、QUICPayといった電子マネー、各種クレジットカードに対応するが、利用できるのは日本で販売されたiPhone 7以降(およびApple Watch Series 2)となる。具体的に利用できるようになる10月後半からがiPhone 7にとって真価が問われる時期になりそうだ。

地味ながら注目度大の「AirPods」

もう1点、地味ではあったがワイヤレスイヤホンのAirPodsにも注目したい。Apple製の無線チップ「W1」を搭載しているとのことで、純正のBluetoothではなく、独自に拡張されたプロトコルでiPhoneと接続しているようだ(そのため、箱を開けただけでペアリングを実現できる)。

AppleはこのW1チップをBeatsにもライセンスしており、今後他社にも供給することが考えられる。Appleは無線チップメーカーとしてもクアルコムやブロードコムといったメーカーと勝負していくつもりなのだろうか。非常に興味深い。

Bluetoothは遅延も多く、独自プロトコルで音声の遅延なども解消されているのかどうかなどが非常に気にかかる

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今回の発表会は任天堂の参入に始まり、Pokemon GOのApple Watch版、ApplePayのFeliCaサポートなど、日本と縁の深い話題が多かった。Appleが日本にもきちんとフォーカスしているのは嬉しいが、今年は昨年までと違って、実質0円販売が難しくなるなど、スマートフォンを取り巻く販売環境もだいぶ異なっている。果たしてFeliCa対応などがどこまで日本市場で受け入れられ、落ち込んだ販売状況を盛り返してくれるのか、期待したい。