Apple Watchは防水・GPS搭載で高速化

冒頭にApp Storeへの任天堂参入という大きなサプライズを当ててきたものの、ここからいよいよ本命の新製品発表へと移行。まずはApple Watchだ。Apple Watchにより、Appleは世界で売り上げ2番目の時計メーカー、そしてNo.1のスマートウオッチメーカーになったと宣言した後、9月13日から配布されるwatchOS 3を軽く紹介。そしてアプリ機能に触れるところでサプライズ第2弾、「Pokemon GO」のApple Watchアプリ版が紹介された。

Pokemon GOには専用のBluetoothバンド「Pokemon GO Plus」(9月16日発売)も用意されているのだが、Apple Watch版は単独で歩いた距離や消費カロリーを測定するほか、近くにいるポケモンを表示したり、ポケストップのアイテム回収、卵から孵化したポケモンの確認もできる

続いて運動やエクササイズに関するイメージ映像をたっぷり流したあとで、50m防水機能を備えたApple Watchの最新モデル「Apple Watch Series 2」を発表した。心臓部となるSiPはデュアルコアの「S2」になり、初代と比較して50%の性能アップ。GPSも内蔵しており、ジョギング中などにiPhoneを持ち歩かなくても、あとで走ったコースを地図に表示するといったことが可能になる。詳細はiPhoneの項で紹介するが、Apple Payの日本対応も実現している。

カラーは従来通り、シルバー、スペースグレイ、ローズゴールド、ゴールド、ステンレススチール、スペースブラックとなる

外装はアルミニウム、ステンレスに加えてセラミックスを採用。ディスプレイも従来比で2倍明るくなり、日中の視認性が高まった。セラミックスは高級モデル「EDITION」となる(18金モデルは消滅した)。仏ファッションブランドのエルメスとのコラボモデルも販売を継続するほか、ナイキとの提携でランナー向けに特化したモデル「Apple Watch Nike+」もラインナップに加わる。

金属アレルギーに配慮してか、セラミックボディとなった「EDITION」。価格も11~12万円程度と、100万円を超す初代のEDITIONからはずいぶん購入しやすくなった

ランナーの走るモチベーションをこれでもかと煽ってくるスタイルのNike+。専用デザインのバンドは人気を集めそうだ

初代モデルは販売を終了する一方で、ほぼ同等の製品として「Apple Watch Series 1」が併売される。スペック上は初代に極めて近いが、SiPが「S1」から「S1P」になっており、デュアルコアを搭載。このためアプリの動作速度などは大きく改善されるはずだ。Apple Watch Series 2の販売は9月13日から。既存ユーザーに対しては、watchOS 3も同日リリースされる予定。

個人的には、センサー類が変わっていないことや、噂されていた薄型化やバッテリーライフの長寿命化に触れられなかったのが残念だ(実際、バッテリーは据え置き。サイズは42mmモデルに限り、むしろ初代よりSeries 1や2のほうがわずかに大きくなっている)。しかしGPS搭載によりApple Watch単独で測位できるようになったのは、ランナーたちには嬉しいだろう。前モデルから確実に進化を遂げたと思う。

……が、果たして一般ユーザーにスマートウオッチを買いたいと思わせられるかどうかは、まだまだ難しいように思う。