マウスコンピューターは23日、同社の生産拠点である飯山工場(長野県飯山市)にて、恒例の「訳ありセール」を開催した。長野県内にとどまらず、県外からも参加者が集まり、特価品を目指した。

「訳ありセール」は、マウスコンピューターが毎年夏に開催している恒例イベントで、店頭展示で使用した製品や、わずかな擦り傷や凹みがある製品、化粧箱が汚れた製品を再整備し、動作確認した商品を「訳あり品」として特別価格で販売する。今回で9回目の開催となる。

マウスコンピューター 飯山工場

訳ありセールは毎年恒例となっている

通常のセールとは異なり、30%~40%引きは当たり前、中には60%~70%引きという何とも"過激"な割引率となっている。訳ありセールが始まった当初は、近隣市町村からの参加者が中心だったが、セールの内容が広がるたびに県外からの参加者も増加。いまでは「年に1度のお祭り」として定着した感がある。

セール品として事前に発表された製品。通常価格のほぼ半額という製品が多い

今回は、PCを約370台(デスクトップ約70台、ノート約100台、タブレット約200台)、液晶ディスプレイを約150台用意した。価格は、タブレットPCが税込19,000円から、PCが税込25,000円から、液晶ディスプレイが税込2,000円から(箱破損や展示機)といずれもお買い得となっていたが、目玉となるのはNVIDIA GeForce GTX 980MをSLIで搭載した17.3型4KゲーミングノートPCで、通常価格593,784円のところ、なんと75%引きの150,000円で販売された。

セール会場。2015年よりも広いフロアでの開催。PCやタブレット、ディスプレイが豊富に用意

実際に「訳ありセール」で製品を購入してみた

さて、いつもは取材で訪れている「訳ありセール」だが、今回は実際に1人の参加者として、特価品の購入にチャレンジしてみることにした。実は筆者の家で4~5年ほど使っていた22型ディスプレイがどうやら寿命らしく、最近ちらつきが目立ってきた。地デジへの完全移行とほぼ同時に故障したテレビの代わりに、DVDや動画配信サイトの視聴にフル稼働してきた。

そこにやってきたのが今回のセール。これを機にディスプレイを新調することにした。また、筆者の実家は飯山市の近隣にあり、子どものころから親の買い物について飯山に来ていた。セールに参加することで、地元にちょっとでも還元できればという思いもちょっとだけあった。というわけで、過去に何回かセールに参加している地元の友人に声を掛け、一緒に参加することに決めた。

早朝から200人以上の人が……

前日に地元に戻り、早朝からセールに行く予定を立てた。セールの特設サイトには5時45分から駐車場への整理が始めるということだったので、10分くらい早めに到着するように向かった。ほぼ時間通り、セールが行われるマウスコンピューター飯山工場に着くと、すでに多くの人。駐車場の1つも満車となっていた。

朝の5時30分ちょっとすぎくらいにいってみると、もう駐車場には車がいっぱい

駐車場の1つはすでに満車まんですけど……

ナンバープレートを見ると、長野県内はもとより、埼玉や群馬といった関東近郊の車に加えて、北陸、関西とずいぶんと遠くから参加している人もいるようだ。6時の整理券配布を待つために列の最後尾に付いた。性別や年齢問わずいろんな人がきている。

車を止めて整理券配布場所に向かう

すっごい並んでるんですけど……

整理券の配布が始まり、先頭の人から整理券を受け取り、8時のセール開始まで列はいったん解散となった。近くにあるコンビニまで朝食を買いに行く人が多かったが、「Pokémon GO」がサービス開始したばかりとあって、スマートフォンを片手に散歩に向かう人もいたようだ。

6時から整理券を配布

事前に用意した整理券はA~Fまでそれぞれ60枚ずつの360枚。それでも足りなかったとのこと。最終的には400人ほどがセールに参加したようだ

ちなみに筆者が受けとった整理券はE番台。整理券はA~Fまでそれぞれ60枚ずつ用意されていたとのことで、筆者の前には少なくとも200人以上並んでいたことになる。整理券をすべて配布してもさらに人が並んでおり、最終的には約400人がセールに参加したという。

7時30分ごろから整理券の番号ごとに列が形成され、セールの開始を待つ。筆者のとなりにいた人に話を伺うと、飯山在住の方で、セールには毎年参加しているそうだ。ほしいものは決まっているわけではないが、毎回何かしら購入しているという。

開場前に整理券の番号ごとに並ぶ

さて、列に並んでいる間、筆者には一抹の不安があった。前述したとおり、筆者の目当てはディスプレイだ。しかし、これまでセールを取材してきた経験上、「ディスプレイは競争率が高い」ことが分かっていた。何しろ、箱破損品や店頭展示で使った品とはいえ、2,000円からという破格で販売されるのだ。さすがに全部なくなることはないだろうが、何となく気がかりであった。

今回の目玉商品の1つである28型4Kディスプレイ。店頭展示で使ったものとはいえ破格の20,000円。また、その横にあるDisplayPort搭載の24型フルHDディスプレイは4,000円、さらに27型フルHDディスプレイは5,000円というとんでもない値付け

筆者が漠然とした不安を抱えている間にもセールは開始。会場内の混雑を避けるために、列ごとに少しずつ人が入場していく。いよいよ筆者の列も動くことに。ただ、会場の入り口付近で「商品の数が少なくなってきていますので……」とアナウンスがあり、さらに不安に。

会場に入ると目当ての商品を探す人でいっぱいだ。ここ数年、参加者が増加していることから、今回は昨年よりも広いフロアでの実施となったが、それでもやはり人の多さと熱気を感じる。

早速ディスプレイが並べられているスペースに向かうが、やはり数が少なくなっている。とりあえず、何か確保しなければという使命感が筆者を突き動かす。すると、目玉品の1つとして事前に特設ページで紹介されていた。31.5型フルHDディスプレイ「ProLite X3291HS X3291HS-B1」(セール価格:税込22,000円)がまだ残っていた。

一瞬「31.5型のフルHDってどうなんだろうか?」と思ったが、今回は机に置いて近くで見るよりも、テレビ代わりにちょっと離れた位置から見るためのディスプレイがほしかったので「用途に適しているかも」と考え、手に取った。

何とか購入(当たりまえだが自腹)できた31.5型フルHDディスプレイ「ProLite X3291HS X3291HS-B1」。これから使うのが楽しみだ

一緒にいった友人もディスプレイの購入を予定していたが、お目当てのものが無かったということで、7型タブレット「LuvPad MID407W」を購入。こちらはなんと1,000円で販売

会計の列に並びながら、会場の様子を見ていたが、参加者の「買い気」がすごい。目玉商品はもちろん1人当たりの購入台数が制限されているが、制限されていないタブレットなど、1人で複数台購入する人が大勢いる。台車にうずたかく商品を積んでいる人たちもいて、とにかく「何か買ってやろう」という強い気持ちを感じた。

セール開始後、1時間半から2時間程度で"大物"は売り切ったようだが、ある程度時間が経過すると始める突発的なタイムセールも見逃せない。今回はAndroidタブレットが全品1,000円、キーボード着脱式の10.1型Windowsタブレットが15,000円とさらなる値引きを実施。セールが落ち着いても油断はできない。セール終了間際まで残ってみるのも手だ。

10.1型Windowsタブレット「WIN1001-WA」はタイムセールで15,000円

Androidタブレットは全品1,000円に。使う予定が何もなくてもついつい買ってしまいたくなる

そして12時にセールは終了。あっという間の4時間で、過去最大級の盛り上がりを見せた。さて、筆者が購入したディスプレイはまだ届いていないので、試していないのだがいまからワクワクしている。セールのハラハラ感やワクワク感はまさに「祭」といってもいいだろう。機会があればぜひ一度体感してもらいたい。

あれだけあった製品がすべてなくなってしまった

なお、セールの熱さもさることながら、夏の飯山は物理的にもなかなかの暑さなので、くれぐれも無理をせずに万全の体調と準備で参加してほしい。