忙しい時間にサッと食べられるように、パスタの容器はワンハンドで食べられるカップ状。具材は基本的にサイゼリヤと同じものを使用していている。しかしここで1工程の工夫がある。店内で茹で上げたパスタと具材を炒める。炒めることによって、焦げ目がつき具材の香りを引き立たせるのだ。具材はサイゼリヤよりも大目にしていて、味も見た目も量も満足できるというのが狙い。
「今のところ利益率とかはあまり考えておらず、実験的にやっています」と広報担当者。1号店で試行錯誤して、ただ安いというものを作るのではなく、500円という価格で顧客が満足する量と価格をどこまで実現できるか挑戦するという。現在はパスタが14種類だが、サイゼリヤのミラノ風ドリアのような看板メニューを作るのが目標。今回オープンさせた店舗はおよそ66平方メートル(20坪)だが、今後展開する店舗はおよそ16平方メートル(5坪)くらいの小スペースを想定している。小スペースでどういった運営ができるか、注目したい。
なぜファストフードに参入するのか
サイゼリヤの店舗数が1000を超えた。店舗数が増加すれば当然売り上げは増えるが、それだけに頼るのではなく事業の新しい柱を作ろうと進めてきたのが海外展開、そして今回のファストフードへの参入だという。ファストフードといえば、ハンバーガーや麺類、チキンなど様々。さらには、コンビニでチキンやドーナッツ、コーヒーがテイクアウトできるのでし烈な競争が起きているといえよう。その市場にファミレスから参入したことになる。しかし同社は、パスタのファストフードというのはまだ余地があるとみているという。さらにターゲットを女性の一人客とし、彼女たちが入りやすい店作りを心がけるという。さしあたっての売り上げ目標はサイゼリヤの一店舗の売り上げの半分くらい。今後5年で首都圏を中心に数百店舗まで拡大していきたいとしている。