ドコモが狙うスマートライフ領域

では、各社はどういった戦略で収益を稼ごうとしているのだろうか。これまで3社横並びと評されることもあった大手携帯電話会社の戦略だが、現時点では各社にばらつきが出ている状況だ。

NTTドコモは、「スマートライフ領域」を新たな収益の柱にしたい考えだ。この領域には、dマーケットが該当するコンテンツサービス、dポイントやクレジットカードの金融・決済サービス、テレビ通販のオークローンマーケティングなどの子会社群の活用などが挙げられる。ほかには、ドコモのアセットと外部企業の連携して新サービスを生み出す「+d」の取り組みなども含まれる。

衣食住の分野までカバーするコンテンツサービスのdマーケット

このうち、特筆すべきは、コンテンツサービスのdマーケットだ。dマーケットは、映画、音楽、アニメ、雑誌が月額定額で楽しめるdTV、dヒッツ、dアニメストア、dマガジンなどのデジタルコンテンツをはじめとして、ファッションやデリバリーなどの物販(衣食)にも広がっており、dリビングといったサービスで住の分野にも踏み込んでいく。

そして、これらのサービスはドコモユーザーに限らず、KDDIやソフトバンクユーザーでも利用可能なキャリアフリー戦略をとっており、足元では、MVNOとの連携も進んでいる。他社やMVNOに顧客が流れても、コンテンツサービスで穴埋めを行う、そんな戦略が可能となっているのだ。こうしたコンテンツサービスのほかに、ポイントプログラムのdポイントを合わせ技で加えることで、利用者の利用データを活用し、新たな施策に結びつけることも可能だ。