ベンチマーク結果「消費電力」

ベンチマークテストの最後は消費電力。ワットチェッカーを利用してシステム単位の消費電力を計測したのが次のグラフだ。IdleはOS起動後10分の最小値、Loadは3DMarkのFire Strike Ultraを実行した際の最大値をプロットしている。

GTX 1080は、GTX 980 Ti(OC)やGTX TITAN Xを上回るパフォーマンスを発揮しながらも、GTX 980(OC)なみの消費電力を実現している。プロセス微細化の影響は大きく、驚異的な電力効率だ。

まとめ - 旧世代製品を置き去りにするパフォーマンス

さて、GeForce GTX 1080のファーストインプレッションをお届けしたが、旧世代製品からの性能向上が著しく、間違いなく現時点におけるシングルGPUカードとして最強の製品といえるだろう。2世代以上前の製品を使っているユーザーだけでなく、1世代前のGTX 980ユーザーでもリプレイスする価値はある。

あとは価格と「Founders Editionとカードベンダ版のどちらを買うか」、「どのくらい入荷されるか」が問題だ。価格に関しては、Founders Editionが699ドル、カードベンダ版が599ドル(いずれも米国の希望小売価格:MSRP)からとアナウンスされている。しかし、日本国内ではこのままの価格で投入されることはまずない。ハイエンドカードであればなおさらだ。

2015年6月に発表されたGeForce GTX 980 Tiは、649ドル(MSRP)の価格がアナウンスされていた。この時期の為替は1ドル=125円前後で、そのまま計算すると8万円台前半だが、日本国内での初値は税別10万円前後。およそ1.25倍となる。

仮に今回もこうした価格設定となるならば、Founders Editionが9万円台半ば、カードベンダ版が8万円台前半となる。実際の価格は発売日にならないと分からないが、現時点におけるGeForce GTX 980 Tiの価格は安価なもので7万円前後。あくまで仮の想定だが、この価格差をどう考えるか。

また、Founders Editionとカードベンダ版には100ドルの価格差が設定されているのだが、これがどんな違いによってもたらされるものかは分かっていない。通常であれば、リファレンス版(GeForce GTX 1080でのFounders Edition)が投入されたあとに、カードベンダ版が発売されるという流れだ。2つの製品における差がはっきりとしないうちは、様子をみるという選択もありだ。

そして初回とそれ以降の入荷量も気になるところだ。GeForceシリーズはそれほどでもないが、ハイエンドカードは入荷数が少なくなる傾向がある。GeForce GTX 1080はGDDR5Xという新メモリを採用していることから、これの歩留まりがどうなるかというところも影響してくる。是が非でもほしいという人は早めの確保に動いた方がいいかもしれない。