また、コンパクトさが役立ったのは、空港での場面だ。サンフランシスコとラスベガスの移動にJetBlue便を利用した際、iPhoneのWalletアプリに航空券の提示やApple Payでのコーヒーの購入は、iPhone 6s Plusの頃より非常に楽だったのだ。

iPhone SEはApple Payにも対応する

両手がふさがっているなかでチケットを出す際、片手でポケットからiPhoneを取り出し、画面上部にあるWalletの通知をスワイプして、保安検査官にバーコードを提示する一連の流れを、片手だけでできたメリットは大きい。iPhone 6s Plusでは、左手でiPhoneを支えて、右手でスワイプしなければならなかったからだ。

一方、コンパクトさのデメリットは、言うまでもなく画面サイズだ。

当たり前の話だが、小さな画面では一度に表示できる情報量が減ってしまうのだ。メールの受信ボックスや新着メッセージなどは、一覧性が大きく下がる。また、PCのウェブサイトや電子書籍などを表示する際、画面を拡大すれば文字のサイズは大きくなるが、ページめくりの回数が増え、快適とは言えない。

メッセージアプリでは、画面の半分をキーボードが覆うため、長い文章を書いていくと、それまでのスレッドのやりとりは隠れてしまい、自分が書いている文章すらスクロールが必要になってしまう。キーボードを広く使える横長の画面(ランドスケープ)では、キーボードしか表示されなくなってしまう。

5.5インチのiPhoneと同じように4インチのiPhone SEを使いこなすことは不可能だ。iPhone SEを選ぶかどうかの最も大きな分かれ目は、コンパクトさを採るか、画面サイズからもたらされる効率性を採るか、だ。

個人的な感想からすると、一度4.7インチ、あるいは5.5インチのiPhoneを使ってしまった人は、よほど気に入らなかった場合を除き、iPhone SEの4インチには戻りがたい、ということだ。