点在する拠点で利用するアプリケーション環境のパフォーマンスをいかに上げることができるのか。3月4日、リバーベッドテクノロジーは、米デルモンテ・フーズとの取り組みについて発表した。

数多くのレシピが並ぶ米デルモンテ・フーズのオフィシャルサイト

米デルモンテ・フーズは社内の組織再編の際して、従来の自社運用環境をオールクラウド環境への方向転換を図る。オフィス用ソフトには「Office 365」、ファイル共有には「Box」、SAPなどのエンタープライズアプリケーションのホストにはHPの仮想プライベートクラウドを用いたほか、SaaSアプリケーションをメインに利用する。IT部門が既存環境のメンテナンスやサポート以外にも、イノベーションや変化に対応できる効率的な組織に変更することが目的だったと述べているのは、デルモンテ・フーズ副社長兼CIOのTimothy Weaver氏。

同社は、米国食品大手のデルモンテ。トマトの輸出量が多いメキシコにも拠点があり、これらを含む30カ所に信頼性の高いネットワーク接続を提供することができるかどうか?がオールクラウド環境化のための重要なポイントになっていたのだという。オールクラウドを図っても、ネットワーク経由でのアプリケーションのパフォーマンスが、従来環境よりも良くなっていなければ拒絶されてしまうとWeaver氏は述べている。

デルモンテ・フーズは、比較的大きな拠点19カ所にリバーベッドの「SteelHead」を導入することでSAPなど仮想プライベートクラウドで運用するアプリケーションを高速化、その後の「SteelHead Saas」の導入で、SaaSアプリケーションのユーザーエクスペリエンスの改善に成功したという。リバーベッドのSteelHead SaaSは、Microsoft Office 365やSalesforce.comなどSaaSクラウドアプリケーションのデリバリの高速化を実現するソリューション。クラウドとユーザ間の距離により遅くなるパフォーマンスを大幅に改善する事例が数多く、同社のWebサイトにも掲載されている。

デルモンテ・フーズの場合もOffice 365などアプリケーションパフォーマンスの向上が実現した結果、以前は拠点によってはネットワークパフォーマンスの問題から一部ツールの利用に消極的な拠点においてもスムーズに導入が進んだことをWeaver氏は述べている。