TechShopは現在アメリカに8カ所あり、パリとアブダビに海外進出も果たしているが、アジア初となるTechShop Tokyoは富士通とのコラボレーションによって実現した。都心の施設としては1200平方メートルと広く、多くの工作機械も揃えている。ちなみに都内では、東京・秋葉原にも同様のコンセプトの施設「DMM.make AKIBA」がある。

オープニングセレモニーではテックショップジャパンの有坂社長が挨拶し、TechShop Tokyoについて「単なる工房ではなく、色々な人が集まりコミュニティを作る場所」であると説明。また富士通としては、モノを作るすそ野を広げたい、頭に浮かんだアイデアをかたちにしたいといい、かつて富士通のコマーシャルメッセージであった「夢をかたちに」を彷彿とさせるコメントをしていた。

アーク・カラヤン広場からみたTechShop Tokyo(上側の窓はすべてTechShop Tokyo)

テックショップジャパン株式会社 代表取締役社長の有坂庄一氏。手にしているのは本型の照明で、TechShopから生まれた製品

TechShop Tokyoは1200平方メートルとアメリカにも負けない広いスペースと工作機械を配備。単なる場所ではなく、メイカーズコミュニティによってアイデアをモノにできる場を目指す

TechShop, Inc. CEOのMark Hatch氏

米国のTechShopは企業や国の支援も受けているという

富士通とTechShopの協力関係は移動できるトレーラー型のTechShopの提供から始まっている

TechShop Tokyoの概要と活用方法についての説明。多くの機械だけでなく、広々としたワーキングスペースがあり、共創型のプロトタイピングにも活用できるという

経済産業省 製造産業局長の粕谷敏秀氏。日本の国人口が減る中一人あたりの付加価値を高めるイノベーションを起こすためにモノ作りの現場が不可欠と語る

文部科学省 大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)の岸本 康夫氏。強い大学発のベンチャーを設立するための支援を行っている

森ビル株式会社 副社長執行役員の北林 幹生氏。本文で触れた内容以外には「絶対入るパター」の作成をお願いしたいと冗談を

富士通株式会社 代表取締役社長の田中 達也氏。もともと製造業担当で日本のものづくりを肌で感じていたそうだ。個人の夢の実現が(TechShopで)広がるとイイなぁと笑顔を見せる

今回の施策は、森ビルが手掛けるアークヒルズ30周年に向けた「東京の磁力向上に向けた次世代への挑戦」という意味が込められている。TechShop Tokyoというクリエイターやデザイナーのためのイノベーション拠点の他に、起業を支えるベンチャーキャピタルのための拠点「KaleidoWorks」のオープンが同じ3Fに予定されている(日本ベンチャーキャピタル協会+ベンチャーキャピタル2社の入居が決まっている)。

さらにWIRED Lab.もアークヒルズギャラリーにオープンし、アイディアをビジネスにするエコシステム「日本版サンドヒルロード」をアークヒルズに作り出すことを目論んでいるという。

2月18日現在のアークヒルズ3F平面図。現在地の下のグレーの部分にKaleidoWorksが開かれ、同一フロアにメイカーズのためのスペースに加えて、ベンチャーキャピタルも入ることになる