ファン垂涎の大人アニメパック、制作会社パックも登場

アニメ分野はさらにファン感涙の仕組みが導入されている。その実現には、「涙あり、苦労ありの連続です (笑)」と片岡室長が表現するように、チーム片岡の公私を忘れた熱い努力がある。一般的なレコーダーの場合、ジャンル検索で「アニメ」を選ぶと、幼児向けも含まれてしまい、衛星放送も含めると1週間に1,000以上の番組がヒットしてしまう。僕達が見たいアニメはそれじゃない。

片岡氏:アニメファンが望んでいるのは、「大人アニメ」と呼ばれるジャンル。しかし、EPG情報ではアニメで一括りにされてしまう。なので、我々が人力でタグ付けし、独特のジャンル設定の下でパックとして提供しているのです。大人アニメの中でも細分化していて、SF、ファンタジー、学園もの、萌系、女性向け、つやつやなど、現在25のジャンルを用意しています。また、声優や監督はもちろん、昨年12月からは京都アニメーションやA-1Picturesといった制作会社ごとに絞り込んだパックも用意しました。

アニメ制作スタジオのパック。作品ごとにトレイラーや録画済み番組などを整理して表示する

「つやつや」とは、肌の露出が多いセクシー系のアニメのことだ。最近では、「学園×ロボット×ファンタジー」というように複数の要素がミックスされた作品もあるため、ジャンル分けが非常に難しいという。

片岡氏:番組から発表される情報は非常に少ない。放送ギリギリになっても声優陣すら発表されないこともあります。しかし、パックはおまかせ録画を前提にしているから、放送を待ってからジャンル決めはできません。なので、自分の知識と経験をフル動員して、ジャンルを決めてパックを作ります。放送されてから、これは違うとパックを移動してしまうと次からは録画されないので失敗は許されません。

監督や制作スタジオ、原作者の過去の作品傾向から判断してジャンル決めを行っているという。この経験値を積むため、片岡氏はテレビ放映される大人アニメは全て見ているという。また、アニメは漫画原作が多いため、この2年間で約3,000冊のコミックを電子版で購入したとのことだ。

「みるコレ」の基礎となるデータベース。アニメの場合、監督や声優など片岡氏が自分で調べて入力した後、番組情報と自身の知識・経験からジャンルとオススメ度を決めていく

片岡氏:この仕事を始める前は週7本でしたが、今は週30本のアニメを見ています。改編期には50本。平日は仕事で夜が遅いので、土日に集中して見ています。昼くらいに起きだして夜までずーっとアニメ三昧 (笑)。コミックの購入は自腹ですよ。半分、趣味みたいなものですから。

ちなみに、「みるコレ パック」のドラマ分野を担当する中村さやか氏も、放映されているドラマほぼ全てに目を通しているというから驚きだ。こうして蓄積された知識から生み出されるのが、各種のおすすめパックだ。「オススメ大人アニメパック」は、何を見たらいいのかわからないユーザーに対しては入門編にもなるが、アニメファンにとってみれば「あの片岡氏がオススメする作品なので間違いない」という位置付けになり、録画必須のパックとなる。