小型、防滴・防塵、圧倒的な高速大容量という3シリーズ

最初に披露されたのは、「サンディスク エクストリーム500 ポータブルSSD」だ。一般的なHDDの4倍という転送能力を持たせ、外周にはゴムの緩衝材を使用して耐衝撃、耐久性に配慮した。また、メタルリング(ストラップリング)でバッグに取り付けることもできる。

これに加えて、IP55の防滴・防塵性能を持たせたのが「サンディスク エクストリーム510 ポータブルSSD」だ。IP55なので水没には対応せず、USBコネクタのキャップを閉めていないといけないが、キャップを開けていて濡れたとしても、乾かしてから問題なく使用できるとのこと。

両者とも、74mm四方(厚み11mm)、重さは約40gと、非常に小型軽量だ。容量ラインナップは、500シリーズが120GB/240GB/480MB、510シリーズは480MBモデルのみから展開する。

ポータブルSSD市場に3製品を投入。エクストリーム500は小型で衝撃にも強い。容量は120GB/240GB/480GBの3タイプ

エクストリーム510は、同500にIP55の防滴・防塵性をプラス。容量は480GBのみ

エクストリーム900は内部をRAID構成に、インタフェースをUSB 3.1対応にすることで、比類なき高速性を実現

続いては、2.5インチ外付けHDDのように見える「サンディスク エクストリーム900 ポータブルSSD」だ。内部RAID構成でUSB 3.1対応(推奨はUSB 3.1 Gen2)、速度は読み書きともに最大850MB/秒と、外付け製品とは思えないパフォーマンスを持つ。容量は480GBと960GB、および1.92TBだ。この高速な外付けSSDは、4K動画の編集や最終イメージの輸送にも使えるとアピールしていた。

日本のエクストリームチームメンバーからも高評価

サンディスクの長谷川史子氏は、日本における外付けSSDの意識を紹介。今回の新製品は写真/映像のプロユースをひとつのターゲットとしていることもあり、日本のカメラマン(150名)にアンケートを実施。その結果、外付けSSDに求める要素は世界とあまり変わらず、耐久性、信頼性、転送速度を望むカメラマンが多数を占めた。

プロのカメラマンとしては、シャッターチャンスをモノにしても、それが失われては意味がない。日本のエクストリームチームメンバーに製品を使用してもらった感想も、大変よいフィードバックだったそうだ。

今回の新製品は量販店やECサイトで販売されるが、直近のイベントとして、2月25日から神奈川県・パシフィコ横浜で開催されるCP+ 2016に出展する。エクストリームチームメンバーから生の声を聞けるステージや、タッチアンドトライコーナーを設ける予定だ。

サンディスク プロダクトマーケティングマネージャー 長谷川史子氏

日本のカメラマンへのアンケートでも、ポータブルSSDには耐久性と信頼性、高速性を求める声が大きい

日本のエクストリームチームメンバーに試用してもらった感想。高速性、信頼性、本体サイズ、堅牢性を高く評価。使用PCのストレージ容量が少ないカメラマンからは、外付けで編集できること(高速性)が評価されている

日本市場でも3シリーズ、7モデルが投入される

エクストリーム500/510はHDDの約4倍という転送能力と信頼・耐久性を、カメラマンやクリエイターにアピール

エクストリーム900はエンスージアストにアピール。世界最速、大容量で高信頼。販売はどちらも家電量販店やECサイトとなっている

価格と出荷時期。エクストリーム500が先行投入され、510/900は4月に販売開始

直近のプロモーションとしてカメラと写真の総合展示会、CP+ 2016に出展。タッチ&トライの他、エクストリームチームメンバーのステージも予定されている

「モックアップかと思った」ほどの軽量さと高速性を実感

発表会のゲストとして、エクストリームチームメンバーの一人であるモータースポーツフォトグラファー・熱田護氏が登壇。熱田氏は1992年からF1全戦を取材するなど精力的な活動を行っている。熱田氏がポータブルSSDに求めるのは、やはり信頼性、高速性、耐久性とのこと。

取材先では、通常1TBの外付けHDD×2台を使用しているそうだ。例えばF1の場合、2台のうち1台は、一戦当たり350GB~450GBにおよび撮影データをバックアップ。もう1台は、これまでの主な写真データを格納しておき、出先での対応に使っているそうだ。

撮影した当日、使い物にならない写真を捨ててバックアップすると、転送速度が切実な問題になるという。「画像の転送が終わらないので、夕飯が食えない、寝られない」(熱田氏)。

ゲストはモータースポーツカメラマンの熱田護氏。F1全戦取材を行っている唯一の日本人カメラマン

熱田氏の悩みは取材先でのデータバックアップ。高速HDDを使っているが、転送がなかなか終わらないので困ることが多いという

エクストリーム500は、今まで使っていたThunderbolt接続のHDDと比べて、半分以下の時間でバックアップが完了

その熱田氏、サンディスクからエクストリーム500の試用を依頼されての第一印象は「(40gと軽くて)モックアップじゃないかと思った」という軽量性。また、現場では高速転送性能を実感したと話す。

MacBook Proから11.44GBの転送を行うのに、Thunderbolt接続のHDD(2製品を利用)では95秒と226秒かかったが、エクストリーム500は43秒と半分以下の時間でコピーできた。一方で、エクストリーム500のラインナップは最大480GBで、1TBモデルがないのはちょっと残念とコメント。なお、エクストリーム900もオフィス作業で使用したところ、これも快適で仕事のやり方が変わりそうと実感したと述べた。

エクストリーム900はオフィスで使ってみたところ、たまにある"データ詰まり"もなくスムーズに利用できたそうだ

熱田氏が求めるのは信頼性、高速性と耐久性。今後の取材に活躍しそうだ

SSDならではの低消費電力もポイント

今回、評価用機材があったので、エクストリーム500(240GB)をお借りして少々触ってみた。筆者の作業環境はかなり古め(第2世代Intel Core i3の省電力重視マシン)で、背面にしかUSB 3.0コネクタがないのでUSBハブを前面に持ってきている。

このUSBハブ、現在はバスパワーで使っている関係で、外付けHDDを使うことができない(電源容量不足と表示される)。一方、エクストリーム500はSSDならではの低消費電力によって、バスパワーでも問題なく利用できる。

また、外で作業することが多いので、ノートPCをバッテリ駆動で使うケースが多い。デジタルカメラで撮影した写真を即バックアップするような作業において、高速性と省電力性は重宝しそうだ。