明らかにフェア・ユース(公正使用)と認められる動画について、米YouTubeがクリエイターの権利を守るための活動を支援するプログラムを明らかにした。訴訟に発展した場合、最大100万ドルまでの費用を保障する。

米YouTubeはDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に従って著作権侵害の申し立てのあった動画を削除しているが、中にはDMCAを拡大解釈し、コメントや批評、リミックスといったフェア・ユースの範疇の動画に対する削除申し立ても行われている。そこで、明らかにフェア・ユースである場合に限り、自身の権利を主張するクリエイターをサポートし、配信を継続すると共に関連する訴訟も支援する。

プログラムの対象になる作品はごく少数に限られる見通しだが、ベータマックス訴訟のような前例になれば、動画クリエイターのフェア・ユースの権利の確立につながる。Fred von Lohmann氏(著作権リーガルディレクター)は「YouTubeのエコシステム全体にポジティブな影響を与える」と述べている。同氏はまた、権利を勝ち取った作品を通じて人々のフェア・ユースに対する理解が深まると指摘している。