シャープから11月5日に発売される「ヘルシオ ホットクック KN-HT99A」(以下、ホットクック)。ウォーターオーブンをはじめ、健康な食生活を実現する同社の調理家電「ヘルシオ」シリーズで、初めて"煮る"調理を目的とした電気鍋だ。業界初(※)となる無水調理を実現した家電のホットクックを、ひと足先に使ってみた感想をお伝えしよう。
※シャープ調べ。

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魔法の鍋? スイッチひとつで無水調理 - シャープの「ホットクック」が想像以上に優秀だった(後編)

外形寸法は、幅36.4×奥行28×高さ22.4cm。重さ約5.2kg。推定市場価格は税別60,000円前後だ。派手すぎないメタリックな塗装で、高級感のある見た目も好印象。使い勝手としては電気炊飯器とほぼ同じ。開けてみると、内鍋の取っ手を引っ掛ける部分が出っ張ってしまっていることがわかる。内鍋から取り外しできる取っ手などにすれば、もうちょっとコンパクトで洗練されたデザインになったかも……

調理の際には内鍋に材料をセットして使う。内鍋の定格容量は1.6Lだ。一般的に、無水調理ができる鍋というのは材質もさまざまだが、ホットクックでは内鍋にステンレスを採用

無水調理とは?

無水調理の秘密は内ブタにアリ。食材から発生した水蒸気が「旨みドリップ加工」と名付けられた円錐状の突起を伝って、食材に再び降り注ぐ。そのため、水を加えなくても大丈夫

まずは無水調理について簡単に解説しておこう。無水調理とは、その名の通り、水を使わない調理方法だ。通常、鍋には水分を足さなければ、焦げ付いたり、空焚きになったりしてしまうが、無水調理に対応した鍋であれば、食材の水分のみで加熱調理できる。加熱中に食材から発生する水分を鍋へ還元するという仕組みで、食材の持つ栄養素や旨みが水に溶け出さないというのがメリットだ。煮物はもちろん、ダッチオーブンのように野菜や肉をローストできるほか、くん製も作れる。ホットクックはこの無水調理を電気鍋に取り入れた製品だ。

ホットクックでの無水調理を可能にしているのは、内ブタに設けられた円錐状の「旨みドリップ加工」。加熱中に食材から発生した水蒸気が、この突起によって水滴になり、鍋へと戻っていく。

【左】無水カレーの調理前。肉のほか、細かく刻んだトマトや玉ねぎなどの野菜、市販のルー、もしくはカレー粉を入れて、メニューを設定、放っておくだけ。【右】水は一滴も注いでいないのに、食材から出た水分でこのとおり。素材が持つ旨みが凝縮されて濃厚な味に。付属のメニューブックでは鶏肉を使っていたが、牛すじでアレンジ。特に問題なく仕上がった。食材がまだカタイ場合は、時間延長して加熱をすればよい