アクシスギャラリーは、デジタル化時代のデザイン手法を用いて企業7社が作成したコンセプトモデルを展示する「愛のコンティニュアスデザイン」を開催している。会期は11月8日まで。開場時間は11:00~19:00(11月8日は17:00まで)。入場無料。

「資生堂 ホワイトローズナチュラル」
2016年に100周年を迎える資生堂意匠部の歴史を象徴する、ロングセラーデザインとなっている香水「ホワイトローズナチュラル」のボトルをデザイン。白薔薇を表現する要素として、花ではなく棘に着目。若い薔薇の柔らかく透明感のある棘をモチーフとすることで、これまでの清々しく幻想的なイメージを踏襲しつつ、芯の通った性格が与えられた。

同展は、「オリーブのリーゼント」(瀬戸内国際芸術祭2013)など数々のデザインワークを発表してきたデザイナーの清水久和が、デジタル化時代のデザイン手法「コンティニュアスデザイン」を用いて企業とコラボレーションし、完成したコンセプトモデルを一堂に展示するとともに、各企業の取り組みを紹介するもの。参加企業は資生堂、象印マホービン、富士フイルム、天童木工、コトブキ、ノリタケ、コクヨの7社。コンティニュアスデザインとは清水久和が開発したデジタルデザイン手法で、3DソフトのAliasを独自の設定のもと活用し、球や筒などの基本形状を自在に変形させながらデザインを行う。デジタル加工機との親和性が高い3Dソフトを発想段階から一貫して使用するため、デザインの検討により多くの時間を割くことができ、製品としても無理のない形状をスピーディに作り上げることができるという。また、ひとつの3Dモデルに対してさまざまな検討を加えられるため、製品の開発プロセスで生じる課題にも柔軟に対応できるということだ。

また、「愛のコンティニュアスデザイン」プロジェクトは、企業のデザイナーが清水とともに自社製品をコンティニュアスデザインの方法で開発する試みとして2014年1月にスタートし、2014年11月からはデザイン誌AXISで連載がスタートした。以来、企業と清水とのコラボレーションの成果が、開発のプロセスとともに毎号発表されている。同展は、連載開始から1年の間、これまで誌上のみで発表されたプロトタイプの実物を初めて公開する機会として企画されたもので、コンティニュアスデザインによって実現した作品が、制作プロセスと合わせて展示されるということだ。

また、関連トークイベントとして、GOOD DESIGN EXHIBITION会場で、参加企業3社の担当を交え、コンセプトモデル完成までのプロセスについてが語られる。開催日時は11月3日11:00~14:00。事前申込不要。詳細は同展Webページにて。