コンテキストメニューからスキャン実行が復活
その他の変更点についてもいくつか紹介しよう。Aul氏はMicrosoftが既知の問題として「メッセージング」の送受信履歴や連絡先がリセットされることを認識している。回避策として「%LOCALAPPDATA%\Packages\Microsoft.Messaging_8wekyb3d8bbwe\LocalCache」フォルダーの「PrivateTransportId」ファイルをリネームもしくは削除して、アプリケーションの再起動を提案しているが、筆者の環境ではメッセージ履歴や連絡先は復活しなかった。
また、7~8インチの小さなディスプレイを供えるタブレットの場合、アップデート時にBSoDが発生し、以前のビルドへロールバックする問題が認識されている。筆者はWindowsタブレット上でWindows 10 Insider Previewを試していないため詳しく紹介できないが、お使いの方は注意しておくべきだろう。
筆者がビルド10576で気付いた変更点の1つに、ファイルやフォルダーのコンテキストメニューに<Windows Defenderでスキャンしています>が加わったことを確認した。メッセージIDがずれているのか違和感を覚える項目名だが、その機能は期待どおり、単独もしくは複数のファイルだけを対象としたスキャンが実行可能になる。
Windows 8.x時代はWindows Defenderを内蔵したため、レジストリ操作などが必要だったが、これで気になるファイルの事前チェックが容易になるのは素直に評価したい。
また、筆者の環境に限った話かもしれないが、ビルド10565からビルド10576にアップデートし終えると、「互換性アシスタント」によりIntel Smart Connect Technologyがアンインストールされたことを告げられた。トースト通知をクリックすると現れるWebページでは、「アプリケーション正常に動作しない可能性がある。開発者はサポートページでアプリケーションがWindows 10 Insider Previewで利用可能であるか確認してほしい」というメッセージが現れる。
このようなプロセスが発生したのは、ビルド10240以前も以降も初めてなので、新たな機能なのか判別するのは難しいものの、安定したOSを目指すという意味では興味深い。
最後に、本ビルドが冒頭で述べたTH2になるか考えてみよう。MicrosoftのWindows and Devices担当EVPであるTerry Myerson氏は、Windows 10のアップグレードをさらに推し進める施策を準備していることを、公式ブログで明らかにしている。
冒頭で述べた2015年11月にリリースされるという噂のTH2に達するには、Aul氏らWindows開発チームの尽力が必要だ。ビルド10576がそのままSlowリングにも配布されれば、そのままTH2となる可能性が出てくるが、その真偽はMicrosoftしか知り得ない。
ビルド10576リリースから数時間程度では安定性まで判断できないが、前ビルドで多発していた、関連付け済みファイルをダブルクリックで開くとエクスプローラーがハングアップするといった症状は再発しないものの、ビルド10565からCortanaが使えなくなった問題は改善されず、まだまだ未完成な部分が見受けられる。TH2に達するまでは、もう1~2ステップの進捗が必要になりそうだ。
阿久津良和(Cactus)
■前回の記事はこちら ・Windows 10 Insider Previewを試す(第34回) - 仮想マシン上で仮想マシンが動く「Nested Hyper-V」 http://news.mynavi.jp/articles/2015/10/23/windows10/ ■バックナンバー 一覧へのリンク http://news.mynavi.jp/tag/0021413/ |
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