オンキヨー&パイオニアイノベーションズは、ドイツ・ベルリンで開催された家電製品展示会「IFA2015」において、パイオニアブランド初のハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー「XDP-100R」を欧州など海外向けに発表した。本稿では、パイオニアのIFA2015出展ブースにて取材した内容をレポートする。

パイオニアの「XDP-100R」(シルバー)

XDP-100Rは、DACにESSの「ES9018K2M」を搭載したハイレゾ対応のデジタルオーディオプレーヤー(DAP)だ。PCM 384kHz/24bit、DSD 11.2MHzのハイレゾ音源再生をサポート。後日のアップデートにより、MQAロスレス形式のファイルにも対応するという。また、OSにAndroid 5.1.1を採用しており、スマートフォンのように指先を使ったタップやスクロールによる操作が可能。Androidアプリも使用できる。

DACに「ES9018K2M」を搭載

OSはAndroid 5.1.1

本体カラーはブラックとシルバーの2色。IFA2015のパイオニアブースではカッパーも参考出品していた。現在のところ価格は未定だが、11月の発売を予定している。

参考出品されていたカッパー。ユーザーからの声によっては、発売されるかも

Android搭載機ということだが、内部の設計はスマホに近いものではなく、オーディオメーカーとしてのこだわりを満載。電源回路とオーディオ回路の物理的な距離を十分にとったり、4コアCPUなどOS制御系の基板とDACやアンプの基板を完全に分離するなど、ノイズが入り込む余地を極力低減している。

右側面に電源ボタンや再生/進む/戻るボタンを備えており、液晶画面を触ることなく、カバンやポケットに入れたまま物理的なボタンでも操作できる。さらに、右側面にはmicroSDカードスロットを2基用意。内蔵の32GBメモリと、別途128GBのmicroSDカード2枚を合わせて、最大288GBの容量を持ち運べる。

回路設計にはオーディオメーカーならではのノイズ低減に対するこだわりが

左側面にはボリュームダイヤル。161ステップの細かい調整が可能だ

右側面には操作ボタンと2基のmicroSDカードスロットを装備

再生画面をスクロールすると、プレイリストやイコライザーにアクセスできる。Androidらしさを活かしたUIだ

液晶画面のサイズは4.7インチ。再生中の画面を上にスクロールするとプレイリストや曲情報に、下にスクロールするとグラフィックイコライザーにアクセスできる。片手でも操作しやすいよう練りこんだUIだ。面白いところでは、「アニソン好きの設計者が、電車内などで聞くときに恥ずかしくないよう加えた」という、"画面を暗くするモード"も用意している。

底面にオンキヨー製のスピーカーを1基搭載

パイオニアのIFA2015出展ブース

オンキヨーの「DP-X1」も

パイオニアのXDP-100Rと同時に、オンキヨーブランドからは「DP-X1」が発表された(こちらも海外向け)。オンキヨー&パイオニアイノベーションズ イノベーション事業部の土田秀章本部長によると、今回の2製品は「オンキヨーとパイオニアがこの3月に統合してから始めたプロジェクト」の成果物であるという。

オンキヨーの「DP-X1」

DP-X1は、DACの「ES9018K2M」をデュアル搭載し、バランス出力用の端子も備えた、よりハイエンド志向のDAPだ。きょう体の塗装は、XDP-100Rが光沢系であるのに対し、DP-X1はマット系の渋い仕上がりとなっている。UIもお互いのブランド間で競争して生まれた、異なる操作系を採用している。

バランス接続に対応

底面にマイクを搭載。なお、microSDカードスロットは1基だ

ボリュームやイコライザーに限らず、多くの操作インタフェースがDP-X1とXDP-100Rとで異なる

両製品とも「オーディオメーカーのこだわりで開発した。スマホで聴くよりもはるかに良質な音を提供する。ハイレゾだけでなく、手持ちの音源もより気持ちよく聴けるよう、アップスケーリング機能も搭載している」(土田本部長)とのことだ。国内向けにはあらためて発表の機会を設けるという。実に楽しみである。