説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「MacとWindows、テザリングで使うならどちらがいい?」という質問に答えます。

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iPhoneでテザリングするパソコンは、やはりMacが便利です。テザリング自体はWi-FiかBluetooth、USB端子があれば利用できますが、Macには"切り札"があるのです。2014年9月に公開されたOS(ヨセミテ)の新機能「インスタント・ホットスポット」がそれで、iPhoneを操作することなくMac側からテザリングを開始/停止できるようになりました。

テザリングを行うiPhoneとMacの両方が同じApple IDでサインインしてさえいれば、インスタント・ホットスポットの設定は特に必要ありません。Macのメニューバー右端付近にあるWi-Fiのアイコンをクリックし、数秒ほど待つと「インターネット共有」という項目に自分のiPhoneが現れるので、それをクリックすればテザリングを開始できます。

インスタント・ホットスポットは、iPhone側の設定すら必要ありません。『設定』の「インターネット共有」にあるスイッチをオフにしているときでも、Mac側から操作すればテザリングを開始できてしまうのです。iPhoneが半径数メートル以内(Bluetoothの信号が届く範囲)にあり、快適にデータ通信を行える環境であれば、iPhoneの位置さえ意識する必要がありません。

その動作条件は、iPhoneのシステムがiOS 8.1以降で携帯電話会社のテザリングオプションを契約していること、Macが2012年以降発売のモデル -- MacBook Air(Mid 2012以降)、MacBook Pro(Mid 2012以降)、Mac mini(Mid 2012以降)、iMac(Late 2012以降)、Mac Pro(Late 2013) -- かつヨセミテが動作していることの2点です。iPhoneとMacの両方でWi-FiとBluetoothを有効にしておく必要もあります。

なお、Windowsではインスタント・ホットスポットがサポートされていません。少なくとも現在のところは、Apple製品だけに与えられた機能と諦めるしかありません。

パソコンがMacの場合、パソコン側からテザリングをオン/オフできる「インスタント・ホットスポット」の機能を利用できます