ASUSは、ドイツのベルリンで9月4日から開催されるIFA 2015に合わせて発表会を行い、スマートフォン「ZenFone」シリーズ新モデルや、スマートウォッチ新モデル「ZenWatch 2」、R.O.G.ブランドのゲーミングPC新モデルなどを発表した。

5,334Mbpsの超高速802.11acルータが登場

発表会の冒頭で紹介されたのが、転送速度最大5,334Mbpsを誇る、世界最速の802.11ac対応WiFiルーター「RT-AC5300」だ。本体側面に8本のアンテナを備え、5GHz帯域2系統と2.4Ghz帯域1系統を同時に利用できる。

合計5,334Mbpsの超高速3バンド11acルーター「RT-AC5300」。アンテナが8本用意され、見た目にもかなりインパクトがある

ZenFone 2との比較。本体はかなり大きなサイズとなっている

Broadcom NitroQAM技術を採用し、5GHz帯域1系統が2167Mbps、2.4GHz帯域が1000Mbpsの帯域幅を備えており、これら3帯域を同時に利用することで最大5334Mbpsの速度が発揮されるという。

5GHz帯域2系統と2.4GHz帯域1系統を同時に利用でき、合計5334Mbpsの帯域を確保

また、465平方メートルの広域に電波が届くハイパワー仕様やマルチユーザーMIMOのサポート、有線LANでは2本のLANケーブルを接続して束ねるリンクアグリゲーションに対応し、最大2Gbpsの転送速度を実現可能となっているなど、とにかく強力な仕様と機能を備える。なお、発売時期や価格は未定だ。

後方のギガビットイーサネットは、2ポートを束ねて2Gbpsの転送速度を実現可能

ZenFone新モデルを多数発表

スマートフォンでは、「ZenFone 2 Delux」、「ZenFone Max」、「ZenFone 2 Laser」、「ZenFone Selfie」、「ZenFone Zoom」などが紹介された。これらは、どれもすでに発表済みのものばかりではあるが、欧州ではどれも初のお披露目となる。

このうち、ZenFone Zoomは、2015年1月の「CES 2015」に合わせて発表されたもので、実働モデルの展示は今回が初めてとなる。裏面リアカメラに光学3倍(デジタル併用で10倍)ズームレンズを備える点が大きな特徴だ。

背面に3倍光学ズームレンズを搭載する「ZenFone Zoom」。カメラ部分はやや出っ張っているが、それでも高さ11.95mmと3倍光学ズームレンズ搭載スマホとして最薄を実現

レンズは10枚構成で、光学手ブレ補正機構を搭載し、レーザーフォーカス機能で高速なオートフォーカスが可能となっているなど、ぜいたくな仕様だ。撮像素子の画素数は1300万画素。本体サイズは158.9×78.84×11.95mmで、光学3倍ズームレンズ搭載スマートフォンとして世界最薄を実現。重量は185g。液晶は5.5インチフルHD IPS液晶を搭載する。

背面に3倍光学ズームレンズを搭載する「ZenFone Zoom」。カメラ部分はやや出っ張っているが、それでも高さ11.95mmと3倍光学ズームレンズ搭載スマホとして最薄を実現

背面に3倍光学ズームレンズを搭載する「ZenFone Zoom」。カメラ部分はやや出っ張っているが、それでも高さ11.95mmと3倍光学ズームレンズ搭載スマホとして最薄を実現する

液晶はZenFone 2と同じ5.5インチフルHD IPS液晶を採用

その他のスペックは、RAMが4GB、ストレージが64GBまたは128GB。プロセッサはクアッドコア64bit Intel Atomプロセッサを採用するという。こちらも発売時期や価格は未定。

RAMが4GB、ストレージが64GBまたは128GB、クアッドコア64bit版Atomプロセッサ採用とスペックも充実

ZenFone 2 DeluxはのZenFone 2の最上位にあたるモデル。背面にダイヤモンドカット加工を施し、ストレージを128GBに増量する

デザインとストレージ容量以外のスペックは、ZenFone 2と同じだ

ZenFone 2 Deluxは2色のカラーバリエーションが紹介された

こちらは5000mAhの大容量バッテリーを内蔵する「ZenFone Max」。バッテリー切れの心配無用だ

スマートウォッチ新モデル「ZenWatch 2」

Zenブランドのスマートウォッチでも新モデル「ZenWatch 2」が発表された。Android Wareベースで、基本的なデザインコンセプトは従来モデルを継承しつつ、1.63インチと1.45インチの2種類の画面サイズ、3種類の本体カラー、18種類のバンドオプションを用意するなど、デザイン面が大きく強化されている。

ZenWatch 2。こちらは画面サイズ1.45インチのコンパクトモデル

一方、こちらは画面サイズ1.63インチモデル。従来よりも軽くなった印象だ

従来モデル同様、側面にはリュウズを備える

機能面では、ZenWatch 2でダイレクトにショートメッセージをやりとりできる「ZenWatch Message」などの新アプリを追加。また、ウォッチフェースを50種類用意し、独自の個性を追求できる点も大きな特徴としている。

ウォッチフェースは50種類を用意し、自由に変更可能

ZenWatch 2同士で直接ショートメッセージをやりとりできる「ZenWatch Message」機能を搭載

バッテリー駆動時間は約2日間で、充電時には36分で50%の容量を充電可能。スワロフスキーとのコラボレーションによる、リミテッドバンドも用意されるという。欧州では2015年10月より販売開始予定で、価格は149ユーロから。

バッテリー駆動時間は約2日で、36分でバッテリーの50%を充電可能

充電は専用ホルダーを利用。背面には充電用の端子が見える

2種類の画面サイズ、3種類のボディカラー、18種類のバンドを用意

スワロフスキーとのコラボレーションによるリミテッドバンドも販売される

販売価格は欧州で149ユーロ(約20,150円)から

本体カラーとバンドを組み合わせ、カラフルに装飾可能だ

水冷対応ゲーミングノートPC「GX700」

ASUSのゲーミングブランド「R.O.G.」の新製品として発表されたのが、ゲーミングノートPCの新モデル「GX700」だ。最大の特徴となるのが、本体後部に水冷ユニットを装着可能となっている点で、同社によると「世界初の水冷対応ゲーミングノートPC」だという。

ASUSが「世界初の水冷対応」をうたうゲーミングノート「GX700」

本体後部には、外部水冷ユニットと接続する専用コネクタが用意され、ノートPC本体と水冷ユニットをドッキングすることで水冷機能が有効となり、安定したCPUのオーバークロックが可能になるという。

販売価格は欧州で149ユーロ(約20,150円)から

本体カラーとバンドを組み合わせ、カラフルに装飾可能だ

GX700本体後方には、水冷ユニットを接続するコネクタが用意されている

こちらは、水冷ユニット側のコネクタ。CPUを水冷で駆動可能となり、安定したオーバークロックが可能という

詳細なスペックは未公開となっているが、CPUは第6世代Intel Core Kプロセッサーを採用し、CPUのオーバークロックをサポート。NVIDIAのハイエンドゲーミングレベルのGPUも搭載。また17型の4K(3,840×2,160ドット)IPS液晶も搭載しており、おそらくゲーミングノートPCとして、現役最強レベルのスペックを内蔵するモンスターマシンとなるだろう。なお、発売時期や価格は未定だ。