東京都・白金台の東京都庭園美術館は、アートとしてのジュエリーを創造するコンテンポラリー・ジュエリーの分野を代表する作家に焦点をあてる「オットー・クンツリ展」を開催する。会期は10月10日~12月27日(第2・4水曜日・12月24日休館、12月23日は開館)。開館時間は10:00~18:00。観覧料は一般1,000円、大学・専門学校生800円、中・高校生・65歳以上500円。

Otto Künzli, Herz, 1985, Hiko-Mizuno College of Jewelry Collection/ Photo Naoya Ikegami, Starring Kaoru Ishii

オットー・クンツリ《ビッグ・アメリカン・ネックピース》1986年 (c)VG BildKunst 2013

オットー・クンツリ《おお!》1991年 (c)VG BildKunst 2013

同展は、アートとしてのジュエリーを創造するコンテンポラリー・ジュエリーの分野を代表するオットー・クンツリの、1967 年の初期作から本展のための最新作まで長いキャリアを網羅する約150件のジュエリーのほか、写真、ドローイング、インスタレーションによって構成されるもの。オットー・クンツリはジュエリーが持つ身体との関係性、さらに他者や社会と結びつけるコミュニケーションの触媒としての性格を巧みに利用して、ジュエリーを普遍的な人間存在や社会のメタファーへと変換させてきた。一貫してコンセプチュアルなアプローチを続けながらも、そのユーモア溢れる表現はコンテンポラリー・ジュエリーの世界にとどまらず、多くの人々に受け入れられているという。なお、同展はドイツ・ミュンヘンのディ・ノイエ・ザムルング-国際デザイン美術館からスタートし、スイス・ ローザンヌのMUDAC現代デザイン応用芸術美術館を経て、最終会場として開催される国際巡回展となり、東京展のために制作された最新作も紹介されるということだ。

オットー・クンツリ《2人のためのリング》1980年 (c)VG BildKunst 2013

オットー・クンツリ「《スミ》(2008年)をつけたマリ」Photo: Miriam Künzli (c)VG BildKunst 2013

オットー・クンツリ《フーノウズ?》2001年 (c)VG BildKunst 2013

また、関連プログラムとして、アーティスト・レクチャー「Komainu&Co.」が10月10日14:00~16:00に開催される(事前申込制)。また、本展キュレーターによるトーク「アートを身につけるということ」が11月8日14:00~15:30に開催される(予約不要)。さらに、シンポジウム「表現としてのジュエリー– その可能性」が12月6日14:00~16:00に開催される(事前申込制)。講師はスーザン・ピーチ(ジュエリー・アーティスト)、鈴野浩一(建築家)、山縣良和(ファッション・デザイナー)、関昭郎(同展キュレーター)。いずれも参加費無料だが、展覧会チケットが必要となる。

そのほか、ジュエリーアーティスト・嶺脇美貴子によるワークショップ「マテリアル・ワンダーランド」が10月25日11:00~16:00に開催される(事前申込制)。申込方法、参加費などの詳細は同展Webページにて告知されるということだ。