質疑応答で連携企業の拡充について問われた森岡氏は、現状でほぼ陣容が固まりつつあるとした上で、バーティカルに掘り下げたいと話し、その後のアライアンスのオープン化に向けての考えを明らかにした。また、ヤフー出身者として、ヤフーのような総合ポータルとの差分について、次のように語った。

「ヤフー出身だからこそ、ヤフーが凄いなとわかるところは、一つの統一したテクノロジーを利用しているということ。横で見ていて、課題とか挑戦しようとしていることは似たことを考えているかもしれない。ただ、課題などはみんな同じ問題を抱えている。

1つのアプリからのディストリビューションが生まれていないから、それぞれのサービスでアプリを出している。アプリは1つのスマートフォンに20~30個しか置けない。それぞれのアプリが独立して存在するという意味では、我々も同じスタートラインにいる。

今のスマートフォンは(コミュニケーションなどの)デイリーツールが強い中で、私たちも強力なツールがほしいし、ヤフーは持っている部分もあると思う。私たちにはその点で、アンサーが役割を担う。今は人のコミュニケーションだけだが、こういったものが次に繋がると考えている。これを次の送客の柱にしたい」(森岡氏)

他社も見出す"新機軸"

森岡氏の言葉をそのまま受け取ると、アンサーという対話プラットフォームが検索や他人とのコミュニケーション基盤として総合的な活用のポータルサイト的ポジションになり、そこを軸に各種Syn.allianceのアプリへと送客するということになるのだろう。

日本ではLINEがコミュニケーションツールを軸に多彩なサービスを次々と打っているが、アンサーはインターネットのこの15年の主役であり続けた「検索」とコミュニケーションを融合させることでデイリーの利用者を増やしつつ、利便性のベクトルをLINEとは少しずらした形で価値を提供しようとしている。

ただ、LINEも日本マイクロソフトらと共同で人工知能との会話サービスを始めるなど、その先を見据えた展開を行っている。もちろん、日本のネット界の雄であり続けたヤフーも、IoTプラットフォームを発表するなど、既存サービスの焼き増しではない新機軸を打ち出している。

いずれも「次の主流」として有望視されている存在であり、どれが成功するのか、どれがユーザーニーズを真に捉えられるのかはまだまだ未知数だろう。こうした各社が新機軸で他プレイヤーとの競合、切磋琢磨を続けることで、日本を超えて世界へ飛び出していけるのか、そこが最大の焦点にも思える。