※このページには、ヒーローモードのストーリーに関するネタバレを含む内容が書かれています。ネタバレを避けたい方はこのページを飛ばして次のページをご覧ください。

――オフラインで敵を倒す「ヒーローモード」では、敵が「オクタリアン」、言ってしまえばタコの組織です。イカの敵にタコを設定したのは?

野上 : まず対立構造を作りたくて、イカの敵として最初に浮かぶのがタコという、ただそれだけです。正直なところ、イカ対タコという図式は日本人独特の感覚らしいんですけどね。海外だとイカとタコの区別がつかないみたいな地域もあるそうです。

1人でプレイするオフラインの「ヒーローモード」に登場する敵キャラ「オクタリアン」(略称:タコ)の面々。こちらに気付くとインクを撃ちながら近づいてきたり、空を飛んで攻撃してきたりするなど各々特徴があり、プレイヤーの行く手を阻む

あの世界では、イカとタコが過去に覇権を争って、タコが敗れたというエピソードが背景にあることになっているので、ほぼ同じ性能を持つ生き物としてタコが選ばれたんです。そのほうが説得力を持たせやすかったというのがありますね。比較すると、イカの方が運動能力が高く、タコの方が知能が高いそうで、タコたちは機械を改造したりしているのはそこから来ているんだと思います。

――タコ軍勢の中でも、プレイヤー同様ヒト形態にもなる「タコゾネス」のデザインのモチーフになっているのはやはりアマゾネスでしょうか?

野上 : 名前がそうですもんね。

井上 :ゲームの機能としては、自分と似た姿をしていて、インクに潜ったり、ボムを投げたり、「自分がすることをやってくる敵」ですね。

人型のオクタリアン「タコゾネス」。着用しているフクやマスクのデザインも目を惹く

――「カラストンビ隊」のどこかで見たような2名が後半戦をサポートしてくれますが、このエピソードをヒーローモードに入れたのはなぜでしょうか?

野上 : ヒーローモードとオンラインモードにつながりを持たせて、ひとつの世界に感じられるようにしたかったというのが理由ですね。

井上 : オンラインモードとオフラインモードを独立したものにすることもできるんですけれど、ちょっとふんわりつながっていてほしいなというような塩梅で、あのくらいの立ち位置にしています。

プレイヤーをオクタリアン討伐に誘う「アタリメ司令」。好物はボタモチで、過去の武勇伝をよくしゃべる。孫が近頃帰省してこないのをぼやいている模様

――ヒーローモードのラスボス・DJタコワサ将軍のルックスには大変驚かされ、クリエイターからも「彼の造形について知りたい」とのリクエストがあったのですが、彼が生まれた経緯を教えてください。

井上 : プレイヤー側のリーダーともいえる「アタリメ指令」と対立するので、「タコワサ」という連想です。

野上 : おつまみ対決ですね。

井上 : タコがわさびを持ってすり下ろす動きと、DJブースでの動きをミックスしました。ストリートカルチャーとDJが自然になじむというところでDJブースを取り入れて、連想ゲーム的に作り上げていったのですが、結果的にはカオスなものができあがりました。

DJタコワサ将軍が統率するオクタリアンは、機械を改造して操る

野上 : どこかに(連想の)起点があるんですが、何がそうなのかはわれわれにも分からないんです。何かが起点になって、それがわーっとつながっていって、作品全体の設定ができていくんです。

井上 : DJタコワサ将軍に関しては末期のテンションですね。

野上 : 僕はちょっと(DJタコワサ将軍が生まれたいきさつについては)知らなかったな。他の部分で言うと、ヒーローモードで流れている曲は全部DJタコワサ将軍がリミックスしているということにしていて、タコを統率するための軍歌みたいなイメージですね。

――ヒーローモードのBGMは"DJタコワサMIX"だったんですね。