寝返りを検知して自動運転
もうひとつ、白くまくん Xシリーズでこだわったのが、「みはっておやすみタイマー」の搭載である。これは従来の「おやすみタイマー」を進化させたもので、暑くて寝苦しい夜などに適した機能だ。
日立アプライアンスの木村氏は、自らの体験をもとに次のように語る。
「暑い夜は寝るときに30分で切れるようタイマーを設定する。しかし、エアコンが切れると暑くて起きてしまい、またタイマー設定をして寝る、という繰り返しになることがしばしば。結局、朝起きても寝不足状態という経験を多くの人が持っているのではないか。みはっておやすみタイマーは、室温の上昇だけでなく寝返りも感知して、エアコンを再運転させることで、より快適な空間を実現でき、朝までぐっすりと眠れる」
室温が1.5℃上昇すると再運転する一方で、くらしカメラ 3Dによって、大きな寝返りを見張る。室温が1.5℃上昇していなくても、寝返りの頻度が多いと運転を再開する。
日立アプライアンスの木村氏は、「寝返りの理由には諸説あるが、そのひとつに、背中側の熱気を放出するためというものがある。実際に寝苦しい夜には頻繁に寝返りをうつことがわかった。寝返りの頻度によって再運転することで、快適な温度をキープできる」とする。
実は、木村氏自らが実験台となり、研究室に2回泊まり込んだ。1回目は快適な室温で就寝。もう1回は、温度と湿度が高い、寝苦しい室温環境で就寝するという実験だ。その様子をビデオで撮影し、寝苦しさと寝返りの関係を実証、その結果をもとに、みはっておやすみタイマーが実現したのだ。
研究の末に生まれた新モデル
こうした数々の研究成果や新たな機能、こだわりをもって開発した2015年モデルの白くまくん Xシリーズの特徴を、木村氏は「日本のリビングに、最も適したエアコン」と位置づける。
確かに、気流の通り道を見つけるくらしカメラ 3Dは、リビングの構造や家具の配置、リビングの使い方などの特徴を反映し、快適な空間を実現するためのアイデアだ。くらしカメラ 3Dだけでなく、3分割フロントフラップ、みはっておやすみタイマーの搭載も日本の家を研究しつくした結果によるものだといえよう。
暑い日々も寝苦しい夜も、日立の最新技術とそのこだわりによって実現した白くまくん Xシリーズがあれば乗り切れそうだ。