パン作りが好きな人にもオススメ

SHB-712は、米粉パンなどの特殊なパンも作れるが、筆者が個人的に気に入ったのは「こねる」「発酵」「焼く」と、各調理工程ごとのメニューがある点。もちろん、ほとんどのホームベーカリーには生地のこねから一次発酵までを自動で行う機能が搭載されている。しかし、機種によってはこねや一次発酵までの時間を自分で選べないことも多いのだ。そして、この全自動タイプのパン生地モードは、説明書で指定された材料配分でないとうまく発酵しないことが多々ある。

小麦粉と塩、イーストだけのハードパンを作ってみた。こね時間7分、発酵時間は70分と、一般的なパンより長い発酵時間が必要だが、SHB-712なら時間設定の変更も簡単だ

一方でSHB-712は、こね・発酵・焼きをそれぞれ独立して選択可能だ。さらに、それぞれの時間も自由に設定できる。パン作りが好きな人は「自分で生地をこねたいけれど、発酵は発酵機で行う」「冷蔵庫で長期発酵させたいけれど、こねは体力を使うから避けたい」など、それぞれ機械に任せたい部分は異なると思う。その点SHB-712なら、工程ごとに自分独自の設定ができて便利だ。

筆者は皮がパリパリのハードパンが好きなのだが、油分や砂糖を入れないリーンなパンは発酵時間が普通のパンより長い。こんな特殊な生地のパンも、各工程の時間が設定できるSHB-712なら、問題なく作れる。ただし、こね・発酵・焼きを、それぞれ使用するたびに設定しなければならないのは少々面倒かもしれない。たとえば、こねを7分、発酵を70分実行したい場合、こね作業が終わってブザーが鳴った後、発酵モードに切り替えて70分に設定する。そのため、作業が切り替わるタイミングで操作をしなくてはならず、SHB-712のそばに待機している必要があるのだ。この点は、自分がよく利用するメニューを記録できるプログラムモードがあればよかったと感じさせられた。

一次発酵したパンは、取り出して好きな形に成形し、オーブンで焼く

できあがったハードパンは、口の中をケガしそうなほど皮がパリパリ。中身はもちっとした食感で大満足! 先述したオリジナルの「フランスパン風」パンには満足できなかったが、レシピを変更することでおいしいフランスパンも作れそうだ