マウスコンピューターは19日に開催した記者説明会で、AMDの最新フラグシップGPU「Radeon R9 Fury X」を搭載した小型ゲーミングPCの開発を表明した。 今回、開発中として発表されたのは、「LITTLEGEAR」シリーズと名付けられた製品。Mini-ITXフォームファクタに対応した小型筐体ながら、300mmのグラフィックスカードが搭載可能で、"コンパクト"と"ハイスペック"を両立するという。

開発が表明された「LITTLEGEAR」シリーズ

筐体上部には、LANパーティなどのほか、移動させることが多いデモ用PCなどに向けて、持ち運び用のハンドルを備える。また、展示された試作機には、AMDが16日に発表したばかりの最新フラグシップGPU「Radeon R9 Fury X」が搭載されていた。

実際に展示された試作機。まだまだ改良の余地があるという

日本AMD 森本竜英氏

説明会には日本AMDの森本竜英氏も参加し、「Radeon R9 Fury X」を紹介した。森本氏によると、高解像度化やVR(Virtual Reality)への対応などゲームも変化しているが、中でもVRは今後3年間で急激に伸びると予測されているという。

高解像度でのゲームプレイやVRでは、これまで以上にメモリの帯域が重要になってくる。「Radeon R9 Fury X」では、新たに広帯域メモリHBM(High Bandwidth Memory)を採用することで、メモリのバス幅は4096bit、512GB/sの帯域を実現する。また、基板の実装面積を大幅に削減可能で、「Radeon R9 Fury X」はハイエンドカードながら全長約19cm(7.5インチ)とコンパクトなサイズとなっている。

PCゲーム市場は好調に成長しているが、今後もVRを中心にさらなる拡大が見込まれており、AMDではこれまでと変わらずゲーミングに注力していくという

「Radeon R9 Fury」シリーズは"Fiji"の開発コード名で知られるGPUコアを採用する。GPUダイの周りにあるのがHBM

HBMの構造。ロジックダイの上にDRAMダイが4層重ねられている。さらにインターポーザーを介してGPUと接続する

このほかの特徴。ハイエンドモデルながら19cmのコンパクトなカード長。また、「Radeon R9 Fury X」では水冷による冷却を採用する

「Radeon R9 Fury X」を搭載した「LITTLEGEAR」シリーズは、2015年8月から9月の発売を目指し、開発を進めるという。

18日に発売されたRadeon R9/R7シリーズも紹介された