Swiftのオープンソース化で何が変わる?

昨年のWWDCで発表された開発言語Swiftが強化され、年内に「Swift 2.0」としてリリースされる計画も明らかにされた。Swiftは順調にアプリ開発者の間に浸透しているが、不具合が残るうえ言語仕様が変更されることも度々で、"枯れた"言語とは言い難い。それだけに、Swiftのオープンソース化計画を評価する開発者は多いことだろう。適用されるライセンスが不明な点は、Appleを信じるしかないが。

年内にリリース予定の「Swift 2.0」には、さまざまな新機能が用意されている

ただオープンソース化するだけでなく、Appleはコンパイラなどの開発ツールをLinux向けにも提供するという。この措置は、開発言語としてのSwiftの普及促進という意味合いもあるだろうが、不具合発見の迅速化や安定性向上といった短期的な効果をより強く意識しているのではないか。これまでもAppleは「WebKit」など多くのソフトウェア製品をオープンソース化しているが、他社製OS向けにコンパイラを提供するほどまで熱心ではなかった(ソースコードがサーバにアップロードされる程度)ことからすると、意図するところがあるのだろう。

Swift 2.0リリースのタイミングでオープンソース化、Linux向けにコンパイラなどの開発ツールも提供される

Swiftのオープンソース化は、長い目で見ると一般ユーザにもメリットが大きい。コードの最適化が進めば、より高速な/効率に優れるアプリケーション開発が可能になる。Linux向けにリリースしておけば、さまざまな統合開発環境(IDE)でもサポートされることだろう。いずれは、OS X以外のマシンで開発から申請までのすべてを行えるようになるかもしれない。そうすれば開発のハードルが下がり、開発者が増えて"アプリのエコシステム"は栄える……。

WWDCにタイミングをあわせて実施された開発者プログラムの統合 -- MacとiOSそれぞれに年間99ドル必要だったものが、watchOSもくわわり年間99ドルで利用可能になった -- も、アプリのエコシステムを発展させるという大義名分に従えば違和感はない。というより、将来的にはテクニカルサポートを除き無償化されるのでは? と見ているが、どうだろうか。