NECは5月12日、SDN対応製品を活用して、東京都品川区の業務システムの通信を支える全庁ネットワーク基盤を構築し、同基盤が2015年1月より稼働を開始したと発表した。

東京都品川区本庁舎

今回、同区の全庁ネットワーク基盤は、プライベートクラウドとして構築する全庁仮想化共通基盤へのスムーズな移行を見据え、NECのSDN対応製品「UNIVERGE PFシリーズ」を活用して構築された。

同区の庁内には、住民情報管理、税務、福祉・健康、教育など、約100のITシステムが存在しているが、同区はこれらを効率的かつ統合的に管理するための全庁仮想化共通基盤をプライベートクラウドで構築し、順次システムを移行していくことを計画している。

一方、これらのITシステムを支えるネットワーク基盤において、新サービス開始時の機器の増設や、複雑化するネットワークの迅速な設定変更など、管理に携わる職員の負荷増大といった課題があったという。

今回導入した全庁ネットワーク基盤は、SDNの活用により、ネットワークの一元的な管理・制御による運用効率化や、ネットワーク構成の柔軟な変更が可能な拡張性の高さを実現し、システムの追加に柔軟に対応することを可能にする。

また、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)導入に伴う特定個人情報保護が必要な統合宛名システムなどにおいても、セキュリティを確保しながらネットワークを論理的に分割できる。また、新規システムの導入や機器更新に伴う、配線やネットワーク設定の変更工数を削減することも可能。