SIMロック解除で注意すべきこと

キャリアの端末は、そのキャリアで使うことを前提とした設計になっており、例えば対応する通信方式、周波数帯の違いもある。分かりやすいのは3Gの通信方式で、ドコモ・ソフトバンクのW-CDMAとKDDIのCDMA2000に互換性はない。W-CDMAにしか対応していない端末をKDDIに持ち込んでも3Gサービスは利用できないし、CDMA2000にしか対応していない端末をドコモ・ソフトバンクに持ち込んでも3Gは利用できない、ということになる。

LTEは3社とも共通だが、使っている周波数帯が一部異なっており、これも非対応端末では通信ができなくなる。VoLTEやキャリアアグリゲーションといった通信サービスも利用できるかどうかも、端末やキャリアの対応次第だ。

auではシンクコールなど特徴的なVoLTEサービスを展開するが、SIMロック解除後はどうなるのか

各キャリアが提供する個別のサービスは、ドコモのようにマルチキャリア化を進めているサービスは、他社スマートフォンをドコモに持ち込んでも問題ないだろう。KDDIの場合は、持ち込み端末でサービスを利用しようとした場合、「非対応機種」などと出て、サービスが利用できない可能性もある。持ち込み端末が多くなって苦情が増えればKDDIも対応するだろうし、そうでなければ変わらないまま、ということになるだろう。端末をカスタマイズして提供されるサービスなどは、持ち込み端末だと利用できない、ということはありえる。

ユーザー側としても、SIMロックを解除して持ち込み契約をした場合に、そうしたデメリットがあることも認識した上で利用する必要がある。ガイドラインではキャリアに、こうしたデメリットを利用者が理解できるよう努めることを求めており、今後いくつかの問題は起きるかもしれないが、利用者側も一定の知識は要求される。