BASELWORLD 2015 - 1940年代の隠れた名作に最新技術で光を当てるフォルティス

スイスのバーゼルで開催されたウオッチ&ジュエリーの祭典「BASELWORLD 2015」。フォルティスのブースでは、プロダクトのコレクションを分かりやすく再整理。ダイバーズウオッチの「Aquatis」(アクアティス)、パイロットウオッチの「Aviatis」(アヴィエイティス)、スペースパイロットウオッチの「Cosmonautis」、そして今回強くプッシュされていた「Terrestis」(テレスティス)だ。

フォルティスブース

Terrestisは、陸地や地球を意味する「Terra」を語源とすることからも分かるとおり、地上で使用するプロダクトを収容するコレクションとなる。中でも1930～1940年代の、良作ながら歴史的に陽の目を見なかったタイムピースにインスパイアされた作品がショーケースに並んだ(記事中の価格はすべて予価、税別価格)。


4つの新カテゴリで分かりやすくなったフォルティスのコレクション	ダイバーズウオッチの「Aquatis」(アクアティス)


パイロットウオッチの「Aviatis」(アヴィエイティス)	今回強くプッシュされていた「Terrestis」(テレスティス)

タイクーン

「大君」(大物)を意味する「タイクーン」は、風防に曲面のサファイアクリスタル、ダイヤルは端の窪んだボンベ式を採用したクラシックモデル。デイトモデルとクロノグラフをラインナップ、それぞれにシルバーダイヤルとアンスラサイト(無煙炭)のダイヤルが用意される。


「タイクーン」のデイトモデル	「タイクーン」のクロノグラフモデル

当時のオリジナルモデルはすべて金の針だったが、シルバーダイヤルのモデルのみ、秒針や積算計など計測において重要な針はブルーとなっている。これは、後の歴史でフォルティスがパイロットウオッチを作り続けた実績を込めた意匠であり、Terrestisコレクションが単なる復刻でないことを雄弁に語っている。

ムーブメントは自動巻、裏ぶたはシースルーバック。ミネラルガラスをねじ留めしている関係で、防水性能は5気圧となる。ケース素材はステンレススチール。ケース外径は40mmで、厚さはデイトが10.22mm、クロノグラフが13.59mm。価格はデイトが21万円、クロノグラフが35万円で、4月末～5月頃発売予定。


アンスラサイトダイヤルのクロノグラフ	シルバーダイヤルのクロノグラフ

19(ナインティーン)フォルティス

「19フォルティス」

「ナインティーンフォーティーズ」と「フォルティス」を組み合わせ、1940年代のフォルティスという意味で、「19(ナインティーン)フォルティス」。フラットなサファイアクリスタル風防とパターンが刻まれたダイヤル、ドットと交互のローマンインデックスが特徴的だ。

ムーブメントは自動巻。裏ぶたはシースルーバック。ミネラルガラスのねじ留めで、防水性能は5気圧。ケース外径は40mmで、厚さは7.35mm。ケース素材はステンレススチールとピンクゴールドの2種類があり、それぞれにシルバーとアンスラサイトのダイヤルが用意される。ホワイトダイヤルのみ秒針がブルー。

価格はステンレススケースモデルが17万円で、ピンクゴールドケースモデルが60万円。発売時期は、ステンレスケースモデルが4月末～5月頃、ピンクゴールドケースモデルは今夏を予定。

ヘドニスト

「ヘドニスト」

ベースは1930年代のモデル。風防はサファイアクリスタルで、ダイヤルはホワイトとアンスラサイトの2種。インデックスは偶数のみアラビア数字で、奇数がドット。針はどちらもゴールドで、ホワイトダイヤルのみアラビア数字が濃いブルーとなっている。

ムーブメントは自動巻。裏ぶたはシースルーバック。ミネラルガラスのねじ留めで、防水性能は5気圧。ケース素材はステンレススチール。ケース外径は40mmで、厚さは7.35mm。価格は18万円で、4月末～5月頃発売予定。

オーケストラ

曲面のサファイアクリスタルとボンベ式のダイヤル、きわめてシンプルなバーインデックスに、時刻を正確に指し示す長く垂れた針。ベースモデルが、かつて「エレガント、精度、信頼性」というフレーズで広告されていたといわれる「オーケストラ」。そのもうひとつの見所がティアドロップ形状のラグ。かつては蝋付けでケースに接着されていたが、現代のモデルは一体成形の削り出し。そのため、ケース用の金属塊には厚みが必要で、非常に贅沢な作りになっている。