アクセサリ市場はどうなる?
Apple Watchで気になる点がもうひとつある。それは「アクセサリ」、現在iPhone/iPad向けにケースやケーブルなどさまざまな製品が販売されているが、同様の市場がApple Watchにも生まれる可能性は高い。アクセサリの充実は、エコシステム全体にも好ましい影響をもたらすはずで、当然Appleも「Made for Apple Watch」プログラムを一切考えないということはないだろう。
しかし、今回のスペシャルイベントでは言及されなかった。なぜ? 完全な推測だが、いくつか可能性を考えてみたい。
ひとつは、時期尚早であること。Apple Watchのブランディングはこれからの話、発売早々サードパーティー製のループが溢れかえってはコントロールが難しくなる。腕時計というファッション性が高いカテゴリなだけに、Made for iPhone/iPadよりブランドイメージを大切にしたいという考えがあっても不思議ではない。ファッションブランドなどとタイアップしつつ、小出ししてくる可能性もあるのではないか。
もうひとつは、そもそも「Made for Apple Watch」を展開しないこと。放っておいても(Made for Apple Watchロゴのない)サードパーティー製アクセサリは出てくるだろうが、Appleがそれを関知しないというやり方もアリだ。
慎重に検討中という可能性もある。腕時計には機能劣化がないファッションアイテムとしての側面もあるため、次期以降のモデルでも変わらず使えるよう、サイズや素材を含め仕様を定義しているのかもしれない。200万超えのモデルがラインナップされたということは、長年使えるアクセサリが提供されると期待していいのだろう(iPhone/iPadのように2~3年で賞味期限が過ぎることはない……と思いたい)。
いずれにせよ、Apple Watchには物理的なインターフェイスが存在しない。クリティカルな処理が必要なだけに、充電ケーブルの製造をサードパーティーに認めることもないだろう。サードパーティー製アクセサリが認められるとすれば、ファッション性の高いものが中心となるはず。そんな"生モノ"をAppleがどのようにビジネスに取り込んでいくか、当面見守りたいと思う。